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2022年11月20日日曜日

阿波国一宮、第九初演の地、第二番札所

 







 四国遍路第一番札所のあとは、北側へ進む。まもなく大鳥居をくぐる。柿がたわわ。歩いて15分ほどで阿波国一宮・大麻比古神社。

神武の時代、アメノトミノミコトが阿波に移り住み、麻などを播種してこの地を開拓したという。境内にはクスの大木がたくさん。パワースポットの貫禄である。

背後は讃岐(阿讃)山脈の一部をなす大麻山。他ではみられないアカガシやイスノキが優先する貴重な自然林になっているという。もとはそうしたところがパワースポットとして知られ、その麓に神社やお寺がつくられたのだろう。

讃岐側に比べ阿波側は吉野川に削られて急であるという。山中からはアンモナイトなどの化石が観察され、太古は海のなかだったらしい。吉野川は中央構造線であるから、さもありなん。太古の記憶の残存がここをパワースポットたらしめているのだろうか。

神社を参拝したあとは西へ向かう。サルに注意との看板がある。まもなくサルたちが出迎えてくれた。神社は猿田彦も祀っているので、神の使いだろうか。われわれの行く先を道案内してくれるのだろうか。すばっしこくて写真には撮りそびれた(撮れたがピンボケである、神の使いゆえか。)。

15分ほどで、第一次世界大戦中の俘虜収容所跡とドイツ館。大戦中、中国青島でドイツ軍と戦ったとだけ世界史で習った。その際の捕虜が日本各地に分散収容され、ここはその一つだった。ちなみに、俘虜収容所は英語でキャンプという(小さい辞書にはでてこない。)。

収容所長は懐がひろく、俘虜たちに可能なかぎり自由を認めた。スポーツや音楽活動が盛んになり、そうしたなかで、ベートーベンの第九交響曲の国内初演もなされた。

ドイツ館のまえではドイツ人と思われる若者たちが記念撮影をしていた。いまでもドイツとの交流がつづいているようだ。

館内では人形が第九を演奏してくれた。
♪Alle Menschen werden Bruder・・
時節柄心に沁みた。

そこからさらに西へ向かう。やはり15分ほど。西にあるのはどこか。そう、極楽である。日もうまいぐあいに傾いてきた。あたりは黄金色に輝く。

四国遍路第二番札所は極楽寺。犬もお遍路すがただ。本殿よこで、主人が般若心経を唱えるあいだ、おとなしく待っていた。この犬もきっと極楽へ行けることだろう。

2022年11月17日木曜日

四国遍路第一番札所・霊山寺

 

(山門)

(本堂)

(本堂天井)

(お不動さま)

(大師堂)

(多宝塔)

(お遍路さん@洋風)

 阿南市からは徳島市を経て眉山を左手にみながら北へむかう。佐古駅で西へ行く徳島線をわける。われわれは高徳線で香川・髙松方面へむかい、大河・吉野川をわたる。吉野川は板東太郎の利根川、筑紫次郎の筑後川、四国三郎の吉野川といい、三兄弟の末っ子だ。

吉野川をわたると、北側正面に讃岐山脈が屏風のように連なっている。むかしは湿地だったのか、レンコン畑が広がっている。この季節、めずらしい野鳥が渡ってくるのだろう、望遠レンズをかかえた人たちが集結しているのが車窓からみえる。自然が豊かだ。

池谷駅で鳴門方面へむかう鳴門線を東にわける。きのう行った大塚国際美術館は、そちらの方向だ。もういちど行きたい。

きようはこのまま高徳線を西へ向かう。つぎの駅が板東だ。やや寂れた感のある駅前をさらに北上する。15分ほどできょうの第2の目的地である霊山寺だ。

霊山寺は四国お遍路の第一番の札所でスタート地点である。言わずと知れた四国お遍路は、四国中に点在する88カ所の弘法大師・空海ゆかりの仏教寺院を経巡る巡礼の旅である。全部めぐると88の煩悩がとりはらわれ、88のご利益があるという。ありがたや。

弘法大師は42歳のときに全部を旅したという。ぼくのばあい全部めぐるのは老後の楽しみにとっておいて、きょうはさわりの第1と第2にだけ参拝する。すくなくとも2つの煩悩がとりはらわれ、2つのご利益があることだろう。

霊山寺は1300年前に聖武天皇の勅願で行基が開いたという古刹。なぜ第1番札所なのか。それは弘法大師が密教の阿字五転(発心・修行・菩提・涅槃・利他)の法則にしたがって、四国の北東の角のこの場所を発心点=出発点としたためという。

山門を入ると正面奥が本堂。お遍路姿の人たちが般若心経をとなえている。♪観自在菩薩・・色即是空・・。般若心経が大乗仏教の経典で利他の心を説いていることは最近このブログでも紹介した。

お世話係のおばちゃんに訊くと本尊は撮影禁止らしいが、本堂外観や天井は撮影OKらしい。天井は灯籠が並び、なかなかバエる。

本堂左手にはお不動さまがメラメラされていた。さらにその手前には多宝塔が、右手には大師堂が。それぞれお参りする。煩悩がなくなりますように。ウクライナに平和が訪れますように。

大師堂の奥に納経所がある。お遍路は納経所でご朱印をいただくことになっている。玄関では、青い目のお遍路さんが出迎えてくれる。SNSに投稿したら、目が空色なんやとのコメント。色即是空だから、空色でよいのだ。またウクライナの空に向かって平和を祈っている姿だとのコメントも。まさしくそうだ。