2026年5月25日月曜日

蝶ヶ岳(7)

 

 名残りおしいが下山する。きのうと違って、安曇野にある三股登山口をめざす。いくつもの大きな雪の壁をくだっていく。ときにはトラバースして。



 冬枯れのダケカンバごしに常念岳。いつもなら名前の由来となった常念坊の雪形が見えるはずだが、雪解けがはやく見えない。


 だいぶ下りてきた。植生が針葉樹林にかわっている。


 まめうち平。もはや雪はない。登りより楽だが、やはりアルプスの下りは長い。


 針葉樹林から落葉広葉樹林にかわると、春の日差しをあびた花々が顔をみせはじめた。これはオオカメノキ。葉がカメのようなのだ。



ゴジラの木。ガウ。


 アズマイチゲ。スプリング・エフェメラル。


 ショウジョウバカマ。


 イチリンソウ。


 沢沿いにはワサビが自生している。安曇野にはきれいな水を利用したワサビ園がある。もとはこのあたりに自生していたワサビだろうか。


 エンレイソウ。胃腸薬になる。そのため延齢草と書く。


 三股登山口。あちこちの沢から川が集まり、地形が三股になっている。ようやく日常世界に戻ってきた。名残惜しくもあるが、ほっともする。怪我無く戻ってこられたことに感謝だ。

2026年5月21日木曜日

蝶ヶ岳(6)


  翌朝。この日常念小屋まで縦走する予定だったが断念。翌日の天気予報が風速32メートルと台風並みの強風が予想されていたから。


 まっすぐ下山するのは惜しいので、常念岳に行く途中にある蝶槍というピークまで足を延ばすことにした。

 途中のハイマツ帯、ライチョウのつがいが仲良く朝食を食べていた。といっても、食べていたのはメスで、オスは周囲を警戒するナイト役をはたしていた。右側の目の上に赤い印があるのがオスである。


 蝶槍。蝶ヶ岳ちかくにある槍という意味だろう。たしかに尖っているが、槍というネーミングでよいのか疑問がのこる。


 蝶槍のピークから常念岳をのぞむ。登山者がひとり降りていく。明日の天気はだいじょうぶか。


 蝶槍の帰り、カヤクグリのつがいに会った。イワヒバリと思って撮影したら、AIさんはカヤクグリだという。高山帯のハイマツなどの林や岩場に生息するというから、そうなのだろう。似ていると思ったらイワヒバリ科だった。

2026年5月20日水曜日

【労働問題・コラム】月平均所定労働時間とは

 【事例1】エスエイロジテム(時間外割増賃金)事件

 株式会社Yでは、月間の総労働時間数について、174.48時間とし、それを超える部分を時間外労働として取り扱っている。このような運用は認められるだろうか。

【事例2】スタジオインク事件

 株式会社Yの就業規則には、所定労働時間が1日8時間、1週間40時間とされ、所定休日は、日曜日、国民の休日、年末年始(12月29日から翌年1月4日まで)、土曜日、その他会社が必要と認めた日及び夏季休暇(3日間)とされ、これによると平成18年の所定休日は122日となっていた。月平均所定労働時間は何時間になるだろうか。


【解説】

 割増賃金(残業代)は、時間単価×残業時間×割増率で計算する。

 時間単価は、月給制の場合、月給の基礎賃金額÷月平均所定労働時間数で計算する(労基則19条1項4号)。

 月平均所定労働時間の労基法上の上限値は、173.80時間(閏年174.28時間)である。


・閏年以外

 週40時間×52週(364日分)=2080時間(①)

 40時間×1週÷7日(残り1日分)≒5.7時間(②)

 ①+②=2085.7時間(365日分)÷12か月=173.80時間

・閏年

 週40時間×52週(364日分)=2080時間(①)

 40時間×1週÷7日×2日(残り2日分)=11.42時間(②)

 ①+②=2091.4時間(366日分)÷12か月≒174.28時間


 【事例1】のように、労基法上の上限値を超過している場合や月平均所定労働時間が不特定である場合、労基法上の上限値を月平均所定労働時間として計算する。使用者側に最も有利な時間であるため、労働審判等で争点を減らす目的で、初めから労基法上の上限値で請求する場合もある。

 【事例2】のように、就業規則において所定休日等の規定がある場合には、実際の月平均所定労働時間を計算した方が労働者に有利である。

≪計算式≫

(365日-122日)÷12か月×8時間=162時間




【発展】※専門職向け


【判例・裁判例】

■最高裁判所

■高等裁判所

■地方裁判所

①東京地判平成12年11月24日・労判802号45頁(事例1)

②東京地判平成23年10月25日・労判1041号62頁(事例2)


【参考文献】

■調査官解説

■条解・コンメンタール等

■裁判官・元裁判官

①岡口基一711~712頁

■立案担当者見解

■学説

■弁護士・その他

①渡辺輝人131~140頁


富永

蝶ヶ岳(5)

 

 彩雲。写真ではわかりにくかもしれない。雲の端が虹色になっている。


 18時すぎ、日が傾きはじめた。


 山の美しさは日の出と日の入りである。他の登山者たちも、美しい日没を期待して待っている。


 どうやら北穂高岳の右、大キレットに日は沈んでいくようだ。


 この日、大キレット上空には雲がかかっていた。スカイライン(山と空の境)に沈む夕日は見られないかもしれない・・・。


 ・・・と思っていたら、最後、雲と大キレットの隙間から没する夕日を見ることができた。美しい。


 きょう一日が暮れた。厳しい登山のしめくくり。感慨もひとしおである。

2026年5月19日火曜日

蝶ヶ岳(4)

 

 蝶ヶ岳山頂からは360度の絶景である。まずは西、穂高連峰が美しい。


 左から前穂高岳、奥穂高岳、涸沢岳である。


 北穂高岳。その左下が涸沢、右側が大キレット。 


 槍ヶ岳。きょねんのゴールデンウィークはあの山頂に立った。


 穂高連峰の南は焼岳。


 焼岳の南は乗鞍岳。


 乗鞍岳の南はうっすらとではあるが木曽の御嶽山。


 蝶ヶ岳はいわゆる二重稜線となっている。稜線が2つあるのだ。奥には大天井岳、野口五郎岳なども見えている。


 常念岳。あすはあの向こうまで縦走する予定だったのだが。


 きょう宿泊予定の蝶ヶ岳ヒュッテ。水・飲み水、お湯、電気・灯り、トイレ・下水、居住スペース、温度、酸素、携帯の電波など、地上ではそれこそ水や空気のように感じているものが、ここではことごとく貴重である。

2026年5月18日月曜日

蝶ヶ岳(3)

 

 穂高上空を雲たちがわたっていく。きょう登る蝶ヶ岳は穂高とは反対の東側に聳えている。


 徳澤から長塀(ながかべ)尾根にとりつく。4時間30分の長い稜線の登りだ。名前のとおり。ながかね~。

 5合目をすぎたころから積雪だ。去年も登ったという人に訊くと、ことしはだいぶ雪がすくないそうだ。


 長塀山山頂。山頂は雪に埋もれている。ご覧のとおりの日当たりで、ところどころ雪がゆるくなっている。先行者が踏み抜いた跡があちこちにある。怖い。


 蝶が池。凍結しているが、融け始めている。


 長い登りのすえ、ようやく森林限界を抜け、稜線にでた。


 山頂部がみえた。山頂部は強風のため、雪が吹き飛ばされている。


 蝶ヶ岳山頂。標高2677m。360度の大展望である。

2026年5月17日日曜日

蝶ヶ岳(2)

 翌日、徳澤園の朝。雨はあがり、若干の雲が流れているが、よい天気である。


 前穂高の山々である。


 小説『氷壁』の舞台となった前穂東壁も見えている。



 徳沢園のよこを清流が流れている。


 フキノトウ。


 一人静。


 ニリンソウ。徳沢園のまわりは群生地であるが、もうすこし季節を待つ必要がある。


 写真中央にアナグマのお尻が写っている。ニリンソウに気をとられていて、気づくのが遅れてしまった。