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2011年10月26日水曜日

 ムラサキシキブ



 きのうは女性のお客さま(と後輩)から
 本ブログを読んでいるとお声かけいただきました。

 「お気に入り」に入れていただいているそうです。
 まいどありがとうございます。

 女性読者からのお声がけは、ほんに励ましになります。
 男性のはまぁないよりましぐらいでしょうか(失礼)。

 これで
 またしばらく書きつづける意欲がわいてきました!

 さて、今週はなんとなく花木シリーズになっているので
 きょう、あすと、あと2つ見つくろいましょう。

 京都つながりで、ムラサキシキブはいかがでしょう?
 いまの季節、花木というより実木ですが。

 もちろんムササキシキブ=紫式部ですが
 もとは紫の「シキミ」=重る実=実がたくさんなるという意味だとか。

 「日本人なら知っておきたい日本文学」の紹介により
 『堤中納言物語』のアンチョコを読んだことはまえに書きました。

 このつながりでいま読んでいるのが
 ビギナーズ・クラッシクス『源氏物語』(角川書店=編・角川文庫)。

 むかしむかし与謝野晶子の訳で読んだのですが
 細部はまったく記憶にございません。

 いまの年齢になって読むと
 すごく感慨深い。

 こんな高貴なイケメンの女性遍歴の話を中宮をはじめ宮中の女性たちが
 きゃあきゃあいいながら読んでいたのですから。

 その盛名は上総(千葉県)の田舎(失礼!)まで鳴り響き
 夢おおき少女・菅原孝標の娘の心までわしづかみにしたのですから。

 そして『更級日記』を書かしめ
 ふしぎちゃん一家の生態をわれわれに伝えてくれているのですから。

 各帖のタイトルがそれぞれ深い意味や象徴性をもっていることも
 当然といえば当然でしょうが、トリビア満載。

 「帚木」=遠くからは箒を立てたように見えるが、近づくと見えなくなる
 信濃国の伝説の木=求愛にこたえるように見せかけて、実は冷淡な人。

 同名の作家がおられますが、やはり実は冷淡なのでしょうか?
 「葵」=「あふひ」=「逢う日」。

 「賢木(さかき)」=「榊」(神事に用いる神木)
 =嵯峨野にある「野の宮」。

 「須磨」=罪・けがれを除く意味の「澄ま(す)」
 =源氏が禊ぎをする地。
 
 「明石」=「明かし」(明るくするとの祝意)
 =源氏の運命を向上させる、いわゆる「あげまん」な女性。

 ダジャレ好きにとっては
 たまりません。

 源氏は、政敵・右大臣一派の圧迫が強まるなか
 朧月夜との密会をフライデーされ、やむなく須磨へ下る。

 そして須磨で罪・けがれを澄ませ
 明石で運気を向上させて京都中央政界への復帰をはたします。

 この話
 現代政界の誰かさんに似てません?

 ところで、むかしむかし読んだ本の訳者・与謝野晶子の
 お孫さんが与謝野馨さん。

 薬害肝炎事件における福田総裁の政治決断に際しては
 ご尽力をいただきました。

 源氏を読んだむかしむかしに
 そのような数奇なめぐり合わせになるとは夢にも思いません。

 さすがのムラサキシキブも
 ビックリされたことでしょう。
 

2011年10月18日火曜日

 虫愛づる姫君 



 10月3日の記事で、蛇蔵&海野凪子さんによる
 「日本人なら知っておきたい日本文学」を紹介しました。

 知っておきたいとされるのは、ヤマトタケル、清少納言、紫式部
 藤原道長、安倍晴明、源頼光、管原孝標女、鴨長明、兼好など。

 せっかくだから何か読んでみようかな~と思いながら
 帰り道を歩いていたら、写真のバッタくんたちが登場。

 そうか!お薦めは『堤中納言物語』の
 「虫めづる姫君」か!

 といっても原文で読むのは大変なので、角川文庫のビギナーズ・
 クラシックス日本の古典シリーズ(阪口由美子さん編)の現代文で。

 これがめっぽうおもしろい。
 学校で習ったはずだけど、こんなおもしろい話だったかな?

 「蝶よ花よ」と育てられ~という表現がありますが
 ひょっとするとその語源は虫めづる姫君か?姫君いわく。

 「人々が、『蝶よ花よ』と誉めるこそ、考えが浅く奇妙なことです。
 人間というものは、誠実さがあり、物の実体を探し求めてこそ」。

 私が人生50年をかけていまだ悟りえぬ真実を
 その若さにして達観した姫君、端倪すべからざる能力に脱帽。

 かとおもうと、「鬼と女は人に姿が見えないのがよい」などと
 平安貴族の娘らしい意外と古風なお考えも。

 姫をとりまく侍女たちの口さがないおしゃべりも、いまふう。
 辣腕女社長の連ドラに出てくるOLのセリフとして立派に通用しそう。

 10月3日の記事でも、「気になる続きは二巻で!!」というすごい
 終わり方をするのに続かないという、すごい話だとは紹介しました。

 でも本体の『堤中納言物語』もそうとう。
 この物語にはなんと堤中納言さんが登場しません!?

 その理由については諸説あるようですが
 みなさもも謎解きに挑戦してみてください。 

 物語は短編物語集。編者は不詳。
 10編の短編物語および1編の断片からなっています。

 ラインナップはつぎのとおり。
 (タイトルだけでも魅力的。)

 「逢坂越えぬ権中納言」
 「花桜折る少将(中将)」
 「虫愛づる姫君」
 「このついで」
 「よしなしごと」
 「はなだの女ご(花々の女ご)」
 「はいずみ」
 「ほどほどの懸想」
 「貝合はせ」
 「思はぬ方にとまりする少将」
  未完断片

 秋の京都に行きたくなりました。
 そうだ!…
 

2011年10月2日日曜日

 「日本人なら知っておきたい日本文学」



 この間まで暑い暑いと思っていたら
 いつのまにやら季節がめぐっていたという感じ。

 大雪山が紅葉したとか、岩手山が初冠雪したとか
 毎日のように、秋が深まっていきます。

 さて山ばかり登ってないで
 読書の秋、芸術の秋も楽しまないと。

 でも時間がないという方にお奨めの一冊が
 これ。

 蛇蔵&海野凪子さんによる
 「日本人なら知っておきたい日本文学」。
 漫画なので
 さっと読めます。

 「ヤマトタケルから兼好まで
 人物で読む古典」というわけです。

 ほかに清少納言、紫式部、藤原道長、安倍晴明
 源頼光、管原孝標女、鴨長明が登場。

 みなさんは
 誰のファンですか?

 作者はどうやら
 管原孝標女のファンのよう。

 やはり好きこそものの上手なれなのか
 これがめっぽうおもしろい。

 管原孝標女が源氏オタクということは学校で習いますが
 管原道真の子孫だということは初めて知りました。

 太宰府天満宮のおひざもとで生活するわれらとしては
 これは知っておかなければ。

 学問に名高い管原家なのに、父親の天然ボケぶりは笑えます。
 義母もそうとう。姉も「不思議ちゃん」。

 4人の漫才で
 4人ともボケキャラみたいなもんです。

 しかたないので
 場外から作者がしきりにつっこみをいれています。

 これがまた絶品
 本文よりつっこみのほうがおもしろい。

 かくて、あっというまに読み終わり
 続きがまたれるわけですが

 乄のお話は「堤中納言物語」の
 〈虫めづる姫君〉。

 「気になる続きは二巻で!!」
 というすごい終わり方をするのに続かないという、すごい話。

 この続きが気になって生まれたのが
 宮崎駿さんの「風の谷のナウシカ」らしい(ほんとうか?)。

 これが一番のトリビアでした。

 モノは二人でわかちあうと半分になるけど
 本を読んだ感動は2倍にも3倍にもなります。

 秋の夜長
 誰かと感動をわかちあいたいなぁ~。