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2022年4月21日木曜日

契約書のリーガルチェック

 
 契約締結前の契約書のリーガルチェックを頼まれることが増えた。

契約は約束の一つだ。子どものころ、約束は守りましょうと言われた。民法は1000以上の条文があるが、一言でいえば約束は守ろうということだ。

約束は口頭でもかまわないとされる。しかし、紛争になれば、相手方はそのような約束の存在を否定するので、それを打ち破る証拠が必要である。それが契約書である。

従来は、紛争が起きたときの証拠とするために契約書を作ることが推奨されていた。最近は、紛争の発生を予防するために契約書を作ることが推奨されている。

問題は約束のなかみである。民法の考え方は契約当事者の立場の互換性。ある人が買主にもなれば売主にもなる。それを前提に、売主にとっても、買主にとっても、酷な内容にならないようルールは作られている。

これに特約といって、特段の事情に対する特別のルールを手当することが一般的である。

紛争を予防する契約書を作成するには、当該業界において発生しがちな紛争を把握する必要がある。これは弁護士には分からない。当該業界に詳しい依頼人、あるいは、他の専門家に訊く必要がある。そうすれば、予想される紛争の解決ルールを定めることができる。予想できなかった紛争が発生したときは、民法の基本に戻って解決ルールをさぐるしかない。

最近は、IT化を背景に、ソフトの開発契約のリーガルチェックが増えた。はて、どう考えたものだろう。ソフトの開発というと難しく感じる。しかし基本は請負か委任である。請負は建物の建築契約など、委任は弁護士への委任契約など。

仕事の完成を目的とするのが請負で、仕事の遂行を目的とするのが委任である。ソフトの開発は請負だと思うのだが、業界のひな形は委任型となっている。完成しなくてもよいのであろうか。

建物の完成であれば建築図面があり、完成したかどうかはシロウトにも分かりやすい。ソフトの開発にも設計図のようなものはあるが、われわれシロウトには完成したかどうか分かりにくい。そこはITの専門家に判断を委ねるしかない。そういえば、建築紛争も一級建築士さんの判断に委ねている。

弁護士は法律の専門家にすぎない。他の分野については、餅は餅屋である。そのことを依頼人にも理解してもらい、協働作業が必要になるのである。

2013年9月12日木曜日

お早めに。


契約ですから,
家賃はしっかりと定められた日までに
払わなければいけません。


ここに異論はないでしょう。



もっとも,
決して安い金額ではないですから,
経済的に困窮したとき,
滞納してしまうことも
あるでしょう。


先日,
事情により賃料を滞納してしまった方から
ご依頼を受け,
大家さんとお話をする…
という事件が
いったん終了しました。

無事に
滞納分を追いつかせて支払うことができ,
引き続きアパートに
住むことができるようになりました。



こんなご相談も
弁護士はお受けすることができます。

悩んで後回しにし,
事態が悪化してしまう前に
一度ご相談ください。


病気は早期発見が大切。
法律問題も似ています。



2013年6月27日木曜日

賃貸借の揉め事とは


森です。

少しずつブログのレイアウトにも手を入れています。
仕事の合間の急ごしらえなので,
しばらく迷走するかもしれません。
ご容赦を。



さて,

賃貸借している建物を巡る紛争は,
相当数あります。

どうしても契約が長期間になりますから,
貸主も借主も
いろいろと事情が変わってきます。

その事情の変化が,
お互いの立場の違いを
浮き彫りにしてきてしまうのです。



私が担当している事件でも
お話をしていると,
様々な事情が出てきます。


借主側の事件では,
「失業して,家賃を払い続けることができなくなった」
「子どもが生まれて,
どうしても生活音が大きくなってしまうのだけれど,
苦情を出されて困っている」

貸主側の事件では,
「建物が激しく老朽化しているので,
周辺住民に迷惑をかける前に取り壊したい」
「生活上のトラブルが多く他の住民に迷惑なので出ていってほしい」


等々。

貸主側の事件も,借主側の事件も,
どちらの側のお話も
切実です。



建物によってこの事情も様々。


皆さんもお困りのことがあれば,
お気軽にご相談ください。



次回は,
裁判官が着ている「法服」について
少しお話していきます。
お楽しみに。

2013年3月10日日曜日

夫婦の約束の行方



知りあいの弁護士が
あるサイトで解説していた。

結婚契約は,婚姻中,一方的に
取り消すことができる,と。

えっ,と思い
民法754条をたしかめてみた。

夫婦間でした契約は,婚姻中,いつでも
夫婦の一方からこれを取り消すことができる。

う~ん。
そういえば,こんな条文あったな~。


立法趣旨を調べると
とんでもないことが。

①夫婦間の契約は,一方の威力や溺愛の結果
十分な自由意思を欠くことが多い。

②夫婦間の契約の履行は当事者の愛情や道義に
よるべきであって,訴訟の対象とすることは穏当でない。

立法趣旨というのは,明治時代に民法をつくった人たちが
法律をつくる理由をこう考えていた,というもの。

①からすると,当時の夫婦はそうとう
ひどい状況だったようですね。

ある夫は妻を威圧し
他の夫は妻を溺愛し…。

まっとうな夫婦より
そのような夫婦のほうが多いというのだから。

でも他方,②の立法趣旨からすると
かなり理想主義的。

①と②とでは
まったく逆方向を向いているような。

夫婦間のトラブルはすべて
愛による解決が可能だというのだから。

(単に,妻から夫への裁判を制限したかった
だけかもしれないが)


裁判所も立法趣旨の不合理は理解していて
制限的に解する努力はしているよう。

でも,いまどき
こんなんでいいんかなぁ?

条文そのものを
改正する必要があると思いますね。