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2024年3月3日日曜日

福岡市立美術館 コレクション展と常設展


インカ・ショニバレCBE「桜を放つ女性」
田中千智《生きている壁画》

木内克「エーゲ海にささぐ」

インカ・ショニバレCBE「ウィンド・スカルプチャー(SG)Ⅱ」

 ローマ展の横で、福岡市美のコレクション展をやっていた。現代美術は鑑賞がむずかしい。むかし(1985)大野信が書いた『抽象絵画への招待』(岩波新書)を読んで、現代美術がすこし分かった気がした(残念ながら絶版)。


抽象画家として、宇佐美圭司やジャクソン・ポロックを紹介していた。と思う。



話は飛ぶが、いまNHKBSで「舟を編む~私、辞書つくります」をやっている。原作も読んだし、映画もみたが、どちらとも違う味わい。あらためてテレビドラマ化した意気込みが伝わる。

きのうは主人公のみどり(池田ライザ)が先輩に教えられて語釈の勘所を学ぶ。「血潮」や「みずきしげる」の語釈を通じて。

「手のひらを太陽に」の歌を知っているだろう。

 ♪ぼくらはみんな生きている
  生きているから歌うんだ・・・
  手のひらを太陽にすかしてみれば
  まっかに流れるぼくの血潮・・・

という、あの歌。作詞はだれあろう、やなせたかしである。『それいけ!あんパンマン』のあの作者なのだ。これを知るだけで、血潮という言葉に血潮が通う。

みずきしげるは、ゲゲゲの鬼太郎の作者である。それだけでなく『総員玉砕せよ』も書いている。みずきしげるの膨大な人生・エピソードのなかから、そういう取捨選択をする。その作業のなかで、無味乾燥に思えていた辞書の語釈に「血潮」が通っていることを学ぶ。なるほど。

大野の『抽象絵画への招待』を一言でいえば、抽象絵画とは「現代人の血潮をワクワクさせるもの」である(昔一度読んだきりなので、誤読、他の作品との混淆の可能性がある。)。

それ以来、現代絵画を理解できたかどうかで判定することをやめた。血潮がワクワクするかどうかで判定する。理解しようとするより、ストライクゾーンがひろがることうけあいだ(といいつつ、上記写真を見ると、自分の鑑賞姿勢が全然いけてない気がする。)。

コレクション展のあとは常設展だが、撮影禁止だ。各自、市美のHPを検索してくだされ。野々村仁清の色絵吉野山図茶壺がだいすきだ。市美よ、よくぞ収集してくれた。


常設展を鑑賞したら、外にでる。よい天気だ。屋外常設展示が映える。大濠公園の開放感のなか、作品たちも楽しそうだ。

2024年2月29日木曜日

弥生@福岡市立美術館、松本市立美術館と直島

 






 1月は行く、2月は逃げる、3月は・・・。あっというまに3月に。弥生3月。

弥生といえば草間弥生。福岡市立美術館の大濠側エントランス階段の踊り場に、例の南瓜、かぼちゃが置かれている。ドット柄。植物というより恐竜かエイリアンのタマゴのように見える(1枚目の写真)。人気である。みな写真を撮っている。バエるもんね。

草間弥生、だいすきである。とにかく元気をもらえる。松本市出身。幻覚、幻聴をのがれるために絵を描きはじめた。

山登りのついでに、松本市立美術館に立ち寄ることが多い。草間弥生を輩出した街の美術館だけに草間弥生と縁が深い。入口には、巨大な「幻の華」が展示されている。もちろんドット柄である(2枚目の写真)。

2022年も立ち寄ったところ、「草間弥生 魂のおきどころ」特別展をやっていた。南瓜があったので、「福岡のと同じやん」と言ったら、監督のご夫人が「こちらのほうが大きいです」と訂正意見を言われた。そうなのか(3枚目の写真)。

2012年に訪ねたときには開館10周年の特別展をやっていた。とにかくドット柄が好きである。南瓜だけでなく、本人もドット柄。犬だろうと人だろうとみなドット柄である(4~6枚目の写真)。

2015年瀬戸内の島々を訪ねた。直島にも南瓜はあった。黄色だけではなく赤も。赤南瓜ももちろんドット柄である。海辺の弥生もよかった。

2024年2月28日水曜日

永遠の都ローマ展@福岡市立美術館

 






 芦雪(ろせつ)展→ろ○○展→ローマ展。というわけではなく、イタリア旅行の思い出にひたれるかということで、「永遠の都ローマ展」@福岡市立美術館へ。

カピトリーノ美術館の所蔵品を展示。カピトリーノ(カンピドリオ)はフォロ・ロマーノの西にある丘。古代ローマはテヴェレ川の東にある7つの丘のうえに都市国家として発展した。その一つ、最も高い。

丘の上にはミケランジェロが設計したカピトリーノ広場がある。1枚目の写真は2009年に行ったときのもの。2014年にも行っているのだが、人物が写っている写真ばかりなので、いささか斜めっているがこの写真で我慢してくだされ。

カピトリーノ美術館は、1734年(市民革命前!)に一般市民に公開され、世界初の美術館といわれる。古代ローマの作品は古い話なので彫刻が基本。2枚目の写真は世界史の教科書にも載っている古代ローマ建国神話から、狼に育てられたロムルスとレムス。

3枚目の写真は祭壇。4面にレリーフがある。この面は1番上にパリスの審判が描かれている。パリスはトロイア(イリアス)王の息子。いわゆる三美神のなかで誰が一番美しいか判定されられた。最初から美の女神ビーナスが一番に決まっていると思うが。

パリスはその褒美として美女ヘレネーを与えられる。しかし彼女はスパルタ王の妻(現代のものさしでははかれない。神々のなさることだから。)。その結果がスパルタが所属するギリシア勢がトロイアを攻めるトロイア戦争。

トロイア側の英雄アエネイアースはトロイア滅亡後も遍歴の旅をつづけイタリアにたどりつく。というわけで、パリスの審判はめぐりめぐって古代ローマの建国神話につながるのだった。

4枚目の写真はサロニア・マティディア。トラヤヌス帝の姪、ハドリアヌス帝の義母で、尊称アウグスタ。死後、ハドリアヌスにより神格化された。

5枚目はキリスト教を公認したコンスタンティヌス帝。330年、帝都をローマからコンスタンティノープルに変えた。それら偉業のせいか、像も巨大。

6枚目はぐっと時代が下ってカラバッジョの洗礼者ヨハネ。洗礼者ヨハネといえば、ダビンチの謎めいた表情のほうが断然すぐれている。と思う。

7枚目は・・・なんだっけ?とにかく締めは楽しくということで。