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2022年3月21日月曜日

ナウシカア


  いまの日本人でナウシカの名を知らない人はすくないだろう。宮崎駿のアニメ映画『風の谷のナウシカ』の主人公。

世界を焼き尽くす破壊兵器をもちいた戦争後、空気は汚れ巨大化した昆虫たちが跋扈する世界。人々はなおいがみあい、争いを止めることができない。そして争いにより環境をさらに悪化させてしまう。そうしたなか、人と人が争うのをやめ、自然と共生する道をさぐる・・・。

ナウシカの出自はふるく、古代ギリシアのホメロスによる『オデュッセイア』である(ナウシカではなく、ナウシカアと表記される。)。スケリア島の王女。難破漂流してきたオデュッセウスを救いもてなし、船を用意して彼を故郷イタケ-へと送り出す。別れ際、国に帰っても自分のことを思い出して欲しいと告げる・・・。

『風の谷のナウシカ』の主人公の名はなぜナウシカなのだろうか。ほんとうの主人公はオームに象徴される自然であり、彼女はオームをもてなし自然を救うという意味だろうか。

いまもジョイスの『ユリシーズ』に取り組んでいる。参考書の助けを借りつつ、難解かつ長文な本文を読むのでなかなか進まない。『オデュッセイア』を神話的背景とする『ユリシーズ』にもナウシカアの挿話は当然でてくる。

古代の英雄が主人公であった『オデュッセイア』と異なり、現代のスケベなおっさんが主人公である『ユリシーズ』。そこでは、ナウシカアの目されるガーティもかなり下世話である。このブログで紹介することも憚られる。20世紀初頭発禁処分を受けたのも、この記述が問題とされたためである。

スケベなおっさんはブルーム。『オデュッセイア』の主人公であるオデュッセウスがトロイア戦争を闘うなど好戦的であったのに対し、平和主義者である。

当時アイルランドはイギリス帝国主義の軛のもとであえいでいた。アイルランドではそこからの独立をめざし、民族主義が熱くなり、文芸の分野でも国粋主義的な風潮がたかまっていた。

運動はイギリスの帝国主義からの独立という目的をもっていたけれども、他方ではユダヤ人など外国人を排斥する側面ももっていた。運動というものの危うさを示している。ブルームはそれらの運動とも一線を画し、徹底的な平和主義の立場である。

われわれ凡人はニュースや日々の出来事につどつど怒りを覚え、われを忘れてしまいそうになる。しかしいまこそ、ナウシカのことを思い出さなければならないと思う。

2021年3月9日火曜日

ハルセミの空蝉?


 四王寺山を歩いていると、エイリアンが!
じゃなくて、セミの抜け殻でした。

去年のものが残っていたのでしょうか?
それとも今年のハルセミのものでしょうか?

今年のハルセミにしては早すぎるし
去年のものにしてはよく残っていたなと思います。

こういうのを見ると、例によって
王蟲の抜け殻を思い浮かべてしまいます(またですか)。

眼の部分を切り取ってもちかえれば、ガンシップの風防に使えます。
(いやいや、小さすぎるでしょ)

この大きさならメーヴェに乗せてもだいじょうぶ、ルパさまに預ける必要はありません(いつまで、やっとるねん。)(おまえツッコミへただなぁ。by妻夫木くん)

いや、このへんは読者サービスでして、ほんとうは源氏物語のうんちくを語りたいのです。が、本日は残念ながら時間がきたので、このへんで(おあとがよろしいようで~笑)。

春蝉とおもへり歩みたるままに
              岸田稚魚

2021年3月7日日曜日

火星人?


 週末、四王寺山を散策していたら
草むらから火星人があらわれました。

なんだかわかりますか?
ユニークな形、上から見ると星の形に見えます。

正解は土栗(ツチグリ)、茸(キノコ)のなかま。
丸い部分を押すとぷはっと胞子がとびだします。

うっ、胞子がすこし肺に入った・・
いやいや、ここは腐海じゃないから。

なんと食べられるそうです。
食べる勇気ありますか?

春来れば路傍の石も光あり
             高浜虚子


2021年2月28日日曜日

紫の野におりたつべし


大宰府政庁跡、裏にいくとこんなかんじ。
ホトケノザの群生です。

といっても春の七草のあれではありません。
春の七草、いえますか。

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ
これぞななくさ。

七草のほうは別名、オニタビラコ、キクの仲間です。
対するこちらはシソの仲間です。

吾も春の野に下り立てば紫に
             星野立子

高浜虚子の次女、虚子に師事し、そのあとを継ぎました。
明るく伸びやかな感性の日常詠を特色とするそうです。

この句も例外ではなさそう。
立子、紫の野に立つ。

その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。
失われし大地との絆を結び、ついに人々を青き清浄の地に導かん。

ナウシカを思い浮かべてしまいますね。
クライマックスでナウシカの服の色が赤から青に変わり・・

ナウシカは古代ギリシアの長編叙事詩『オデュッセイア』に登場。
紀元前8世紀の吟遊詩人がうたったそうですから、ほぼ3000年まえ。
縄文杉がひこばえのころの話です。

スケリア島の王女で、オデュッセウスを故郷イタケへ送りかえします。別れ際、国へ帰ってもいつか自分のことを思い出してほしいと告げて。

ナウシカは20世紀最高の小説の一つ『ユリシーズ』にも登場します。
そりゃそうです。ユリシーズはオデュッセウスの英語読みですから。

こちらのナウシカはちょっとエッチな役柄。
でも放浪し虐げられた主人公を癒やし快復させる役割はいっしょです。

宮﨑駿のナウシカはどれともちがっていてアクティブ。
でもわれわれを深いところで癒やしてくれます。

きょうから弥生三月。
みなさんも筑紫の春の野に下り立ちませんか。
失われた人々との絆を結び直すために。