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2023年8月28日月曜日

虫との距離

 


 週末、長女とその夫(候補者)Kくんと3人で四王寺山に登った。

長女のボヤキをきくと、Kくんは虫が苦手なようだ。アブがとんできたとき、長女をおいて逃げ出したらしい。

きけば三女の夫(候補者)も虫が苦手らしい。ゴキブリが出ると、自分では対処できず、三女まかせにするらしい。

きのう、事務局が騒いでいるので、どうしたのかと思ったら、すこし大きいサイズのハチが執務室の壁にとまっている。殺虫剤をふりかけようなどと言っている。

逃げるかも知れないとは思ったが、ちょっと裏側にまわって(昆虫の視界に入りにくいかなと思い)、ティシュでつかむことができた。玄関の外で解放してあげると、ヨタヨタと逃げていった。

そういえば、ちょっと前にも、トンボの仲間が事務所に迷い込んだことがあった。そのときも、おなじようにして逃がしてやった。

いまの若い人たちの夏休みは、室内、家庭用ゲーム機で遊ぶことが多いのだろう。ぼくらのころはそんなのはないから、夏休みの間中、外で虫取りをしていた。友だちがいるときは野球とかできるが、一人遊びはそれぐらいしかすることがなかった。

おかげで昆虫採集はちょっとした腕前だ。壁にとまったハチだって、容易にゲットすることができる。逃がしてあげることもできる。殺虫剤は必要ない。

・・・ここまで書いて、このテーマって、40年もまえにアニメ映画で宮﨑駿が描いたことやんということに気づいた。

2022年3月21日月曜日

ナウシカア


  いまの日本人でナウシカの名を知らない人はすくないだろう。宮崎駿のアニメ映画『風の谷のナウシカ』の主人公。

世界を焼き尽くす破壊兵器をもちいた戦争後、空気は汚れ巨大化した昆虫たちが跋扈する世界。人々はなおいがみあい、争いを止めることができない。そして争いにより環境をさらに悪化させてしまう。そうしたなか、人と人が争うのをやめ、自然と共生する道をさぐる・・・。

ナウシカの出自はふるく、古代ギリシアのホメロスによる『オデュッセイア』である(ナウシカではなく、ナウシカアと表記される。)。スケリア島の王女。難破漂流してきたオデュッセウスを救いもてなし、船を用意して彼を故郷イタケ-へと送り出す。別れ際、国に帰っても自分のことを思い出して欲しいと告げる・・・。

『風の谷のナウシカ』の主人公の名はなぜナウシカなのだろうか。ほんとうの主人公はオームに象徴される自然であり、彼女はオームをもてなし自然を救うという意味だろうか。

いまもジョイスの『ユリシーズ』に取り組んでいる。参考書の助けを借りつつ、難解かつ長文な本文を読むのでなかなか進まない。『オデュッセイア』を神話的背景とする『ユリシーズ』にもナウシカアの挿話は当然でてくる。

古代の英雄が主人公であった『オデュッセイア』と異なり、現代のスケベなおっさんが主人公である『ユリシーズ』。そこでは、ナウシカアの目されるガーティもかなり下世話である。このブログで紹介することも憚られる。20世紀初頭発禁処分を受けたのも、この記述が問題とされたためである。

スケベなおっさんはブルーム。『オデュッセイア』の主人公であるオデュッセウスがトロイア戦争を闘うなど好戦的であったのに対し、平和主義者である。

当時アイルランドはイギリス帝国主義の軛のもとであえいでいた。アイルランドではそこからの独立をめざし、民族主義が熱くなり、文芸の分野でも国粋主義的な風潮がたかまっていた。

運動はイギリスの帝国主義からの独立という目的をもっていたけれども、他方ではユダヤ人など外国人を排斥する側面ももっていた。運動というものの危うさを示している。ブルームはそれらの運動とも一線を画し、徹底的な平和主義の立場である。

われわれ凡人はニュースや日々の出来事につどつど怒りを覚え、われを忘れてしまいそうになる。しかしいまこそ、ナウシカのことを思い出さなければならないと思う。