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2024年6月9日日曜日

伊勢大輔って誰?

 

 いにしへの奈良の都の八重桜
       けふ九重ににほひぬるかな  伊勢大輔

 古都奈良の都で咲いていた八重桜が、今日は新しい都京都に献上されて、九重の宮中で美しく咲き誇っていますよ。

 百人一首61番の歌。伊勢大輔は、伊勢神宮祭主の娘。六条御息所のエピソードといい、当時、都と伊勢は密接な交流があったのだろう。

伊勢はやはり彰子中宮のサロンに仕え、和泉式部や紫式部と親交があった。そして実家である大中臣家は歌人の家としても代々有名であった。

 この歌の詞書。

 一条院の御時、奈良の八重桜を人のたてまつりて侍りけるを、そのをり御前に侍りければ、その花をたまひて歌よめとおほせられければよめる。

 当時、伊勢は新参女房で、いわば初出場、デビュー曲だった。桜の受け取り役は先輩の紫式部から譲られた。中宮彰子はもちろん道長も同席。歌よめと命じたのは道長だった。

本人も緊張したろだろう。自分も大法廷で初めて尋問したときは極度に緊張した。まわりも固唾をのんで事のなりゆきをうかがった。あの代々歌詠みの家系である大中臣家の娘らしいけれど、どれほどの実力かしら?

そうしたら、披露したのがこの歌だ。九重は山の名ではない、宮中のことだ。いにしえの奈良とけふ九重との対比。八重桜と九重との対比。よくもこれだけスケールの大きな歌を新人がものすることができたものだ。

結果、「殿をはじめ奉りて万人感嘆、宮中鼓動す」。そりゃそうだろう。

※現代語訳等は『ビギナーズクラッシック日本の古典 百人一首(全)』谷知子編によった。

2013年4月2日火曜日

久方の光のどけき春の日に





みなさま
花見はおすみですか?

ことしの花見は
いかがでしたか?

福岡での花見の時期はすでにすぎ
残った花もはらはらと散り敷いていってますね。


うちの事務所では
先週の火曜が花見でした。

昼休みに
裏山の二日市公園で。

もう恒例で
なん年もやっています。

フェイスブックで報告したら
OGの方々も懐かしんでいました。

単発的な行事は忘れても
恒例の行事はやはり覚えているものでしょう。

みなさまの職場や家庭にも
恒例でやってますか?


さて,花見をしながら詠んだ和歌を一首
といいたいところですが,できません。

代わりに,小倉百人一首にある
桜の歌をご紹介しましょう。

  花の色は うつりにけりな いたづらに
           わが身世にふる ながめせしまに
 
                              小野小町

  久方の 光のどけき 春の日に
           しづこころなく 花の散るらむ
                               紀友則

  いにしえの 奈良の都の 八重桜
           けふ九重に にほひぬるかな
                               伊勢大輔

  もろともに あはれとも思え 山桜
           花よりほかに 知る人もなし
                               大僧正行尊

  高砂の 尾上の桜 咲きにけり
           外山の霞 立たずもあらなむ
                               前中納言匡房

 
  花さそふ 嵐の庭の 雪ならで
           ふりゆくものは わが身なりけり
                               入道前太政大臣

以上6首
のようです。

花見はいにしえの奈良の都のころよりの
恒例行事だったようで。

うち半分は,散りゆく桜に
わが身を重ねたもの。

そのような花見こそが意外と
通の見方なのかもしれません。

そうだとすると,花見の本番は
「いまでしょ!」。(なのか?)