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2012年3月6日火曜日

言霊の力 by.刑事事件にも取り組む福岡の弁護士



 例の寝言の研究をおこなった
 先月のパートナー会議でのこと(2月24日)。

 受任事件の一覧表をみながら,事務局Aさんが
 「さいきん,刑事事件がありませねぇ。」とぽつり。

 「ちょっと,待ったぁ,その一言!」
 と止めましたが,時すでに遅し。

 こういう一言が言霊のちからで
 刑事事件を呼んでしまいます。

 民事事件と異なり刑事事件,特に身柄事件は
 逮捕・勾留されていることから時間制限があります。

 また事務所まで来ていただいて打合せできませんから
 警察の留置場や少年鑑別所などに面会に行く必要があります。

 民事はお金の問題ですが
 刑事は自由が問題となります。

 さらに刑事事件は被害者がおられて
 謝罪や被害弁償も課題です。

 これらのことから
 刑事事件は一般的に気がおもいのです。

 そうしたなか,パートナー会議の翌25日は
 当番弁護士の担当でした。

 2件電話がかかってきました。1件は例の
 『ドラゴン・タトゥーの女』の最中にかかってきたやつです。

 2件とも受任することになったうえ
 翌26日にはもう1件,私選で受任することになりました。

 覚せい剤事件,道路交通法違反(酒気帯び)・窃盗の成人事件と
 道路交通法違反(共同危険行為)の少年事件です。

 筑紫野署,博多署と
 少年鑑別所。

 『ドラゴン・タトゥーの女』の最中にかかってきたやつは
 覚せい剤事件で否認していました。

 否認の理由は,自分で使用するつもりはなく
 他人から知らないうちに使用されたというものです。

 覚せい剤使用事案の場合
 尿の検査をして覚せい剤反応が出たことが前提となります。

 なので,無罪を主張するときは
 知らないうちにとか,無理にとかいう否認になります。

 おおくの否認はあまり説得力がないのが実情ですが
 本件は前後の事情からして真実と思われました。

 捜査機関としては,覚せい剤使用について故意があった旨の
 自白を獲得しようとしていました。

 こういう場合,弁護人としてできることは
 実はあまりおおくありません。やれることは

 面会回数を適宜増やして,事実と異なる自白をしないよう
 被疑者を励ますことに尽きます。

 結局は被疑者の言葉が
 捜査官の心をとらえることができるかどうかです。

 弁護人にできるのは
 それを信じて励ますことだけです。

 無実の罪に泣くことになるのかと心配しつつ面会をしていたところ
 先日,無事釈放されました。

 ひと安心。
 もう2件あります…。

                 ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月23日月曜日

再会の木 by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 庭にクリの木を植えると
 極楽に行けるよ。

 なぜなら、栗は西に木と書くので
 西方・極楽浄土に通じるから。

 あはは…。
 こんなことをいうと、若い人にまた親父ギャグと笑われそう。

 でもきのう紹介したように
 松尾芭蕉の「おくの細道」に書いてあるといえばどうでしょう?

 芭蕉の権威で、若い人たちも「ははあ~」といってくれるでしょうか?
 それとも「芭蕉ってだれ?」。

 とまれ芭蕉が訪ねた須賀川の宿ちかくに
 大きな栗の木陰をたのみて世をいとう僧がいました。

 そこへ芭蕉が訪ねていき、橡ひろふ太山もかくやと覚えたわけです。
 (♪大きな栗の木の下で、あなたとわたし~)

 また奈良時代の僧・行基(近鉄奈良駅前にいる人)も一生
 杖や柱に栗の木を用いられたとか。

 すでに奈良時代から
 そう信じられていたもよう。

 いまの時期、ナンテンが庭に赤い実をつけてますね。ナンテンも
 「難(ナン)を転(テン)ずる」ことから、縁起の良い木とされます。

 さらに福寿草とセットにすれば
 「災い転じて福となす」とか。ことかえ(言替え)ですね。

 単なるシャレではなく
 言葉には魂が宿っているからです(言霊、言魂)。

 声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与え
 良い言葉を発すると良い事が、不吉な言葉を発すると凶事が起こる。

 なぜか?
 これまた「言」と「事」がおなじものだから。

 結婚式での忌み言葉も言霊の思想に基づきます。
 「終わり」とか「割れる」とかいっちゃダメというアレです。

 日本は言魂の力によって幸せがもたらされる国
 「言霊の幸はふ国」なわけです。

 最近ではこのような呪術的な理解は
 さすがにうすれつつあります。

 でも人が言葉にしばられる生きものであることに変わりはなく
 よい言葉をたくさん発する人が幸せになるというのは経験的事実でしょう。

 メンタルトレーニングやコーチング、その他心理学・教育学的にも
 言葉を発することの重要性が指摘されているようです。

 そこで「再会の木」。
 宝満山から三郡山へむかう途中右におりると座主跡・キャンプ場に出ます。

 山頂にむかって左手・細い道をくだると、いわゆる女道。
 20メートルほどくだると右側にあります。 

 サイカチ(皁莢)の木です。
 ジャケツイバラ科あるいはマメ科の落葉高木。

 落葉樹ですから
 いまの時期は葉を落としています。

 この木に向かって好きな人と再会できるように祈れば
 願いがかなうと伝えられているとか。

 “えんむすび”の木であると
 竈門神社の説明が書いてあります。

 これもやはりサイカチがサイカイ(再会)と
 ナマったものでしょう。

 でも信じて言葉を発すれば
 必ず効果を発することでしょう。まさしく愛の言霊。

 ♪大きなサイカチの木の下で
 あなたとわたし…。

 再会できそうでできなかった「君の名は」
 真知子と春樹にもだれか教えてあげてください。

 宝満山頂までのぼる元気がないとお嘆きのあなたも
 心配いりません。

 サイズは小ぶりですが
 麓の竈戸神社・拝殿の右隣にもあります。

 またまたいま東京転勤中というあなたも
 心配いりません。

 日比谷公園にもあります。
 日弁連前の信号をわたり、50メートル東に入ったあたり。

 どなたさまも
 おためしあれ。

            ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳