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2012年6月6日水曜日

猪鹿狼寺・本堂跡 by.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 九重山を南登山口(南麓,花公園のある側)から
 登ると,最初の休憩ポイントが猪鹿狼寺・本堂跡。

 石祠と礎石類があるだけで
 建物等は残っていません。

 でも,動物名を連ねた寺の由来は
 なかなか興味深いものが(以下,説明板によります)。

 もともと天台宗の寺院で
 伝教大師・最澄が開基とも伝わるとか。

 最澄さん,宝満山には渡唐前に登ったと思いますが
 九重山まで来たかはちょっときびしい気がします。

 NHK大河で苦戦がつづく平清盛は
 歴史的にも,玉木宏の息子・源頼朝に倒されます。

 平家を打倒した頼朝は,自己の軍事力を誇示し
 東国武士の心をまとめるため富士山の麓で「巻狩り」を企画します。

 曾我兄弟の仇討ちで
 有名です(『曽我物語』)。

 いまでいえば
 オリンピックで国威を高揚させるようなものでしょうか。

 巻狩りは,鹿や猪などが生息する狩場を多人数で四方から取り囲み
 囲いを縮めながら獲物を追いつめて射止める大規模な狩猟のこと。

 さて頼朝の側近たちも,巻狩りなどはじめて。
 ルールや作法もわからず,どうすればいいんじゃ~。

 すると,九州の阿蘇神宮が
 どうやら巻狩りの作法に詳しいらしい。 

 というわけで,梶原景高,新田忠常を派遣し
 ルールや作法を習得させます。

 2人は,座学だけでなく
 久住高原で実習をやってみます。

 九重山には,牧ノ戸とか,鉾立峠とか
 巻狩りにちなむ地名が残っています。

 どちらも,鹿や猪を一網打尽にするため
 追い込んだ峠です。

 さて九重山は,天台宗の寺院もある霊峰ですから
 殺生禁止。

 そこで,彼らはお寺に,猪,鹿,狼を殺してゴメンなさい
 と多額の寄進をしたのだとか。

 中世ヨーロッパでいえば免罪符の販売,現代刑事事件でいえば
 贖罪寄付というところでしょう。

 こうして,武家の寄進を受けて
 一時は隆盛した寺も,戦国末期,島津軍の侵攻により消失。

 大分県という場所がら
 大友家と仲がよかったからでしょうね。

 これは,やはり島津軍の侵攻を受けて全滅した
 四王寺山・岩屋城の高橋紹運の運命とおなじですね。

 猪鹿狼寺・本堂跡は,こんな意味で
 九重山と宝満山・四王寺山を関連づける史跡なのでした。

          ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月11日水曜日

どうなる?「平清盛」 by.山歩きが好きな福岡の弁護士



 「源氏物語」といえば「平家物語」
 というわけでもないか?

 この2つの古典が無関係に成立しているのが
 むかしからややこしい。

 「平家物語」が平氏の興隆と没落をえがいたもの
 「源氏物語」が源氏の云々ならわかりやすい。

 でも源氏の歴史のほうは
 「吾妻鏡」ですよね(義経は「義経記」?)。

 まったく受験生を翻弄するための陰謀でしょうか? 
 (陰謀史観)

 「源氏物語」の成立は源平争乱の150~200年も前のことだし
 王朝恋愛と軍記物では中身がまったく異なるのでしょうが。 

 とまれ、NHK大河「平清盛」みました。
 途中からでしたが、おもしろかったです。
  
 清盛役の松山ケンイチさん(松ケンと呼んだらイケンのだとか)は
 未登場で、忠盛・中井貴一さん主演という感じでしたが。

 結果的には視聴率はふるわなかったよう。
 そのせいか、批判も。

 ひとつは、「天皇家を王家と連呼して貶めたから」というもの。
 なるほど、そういう見方もあるのか。視聴中はまったく気づかず。

 しかし、この見方はやや形式的にすぎるような。
 王と帝のちがいを踏まえて見ないと判断するのはそうとうな達者。

 源氏と平家の区別もむずかしい庶民のみかたとしてどうでしょう?
 伊東四朗さんが白河法王の凄みを怪演することの実質論ならまだしも。 
  
 もうひとつは、兵庫県知事が「薄汚れた画面」と批判したもの。 
 きょうは、これにたいし批判が殺到したと報じられています。

 「番組内容に介入するような発言をすべきではなく
 立場をわきまえるべきだ」

 「(大河ドラマは)兵庫県の観光PRのために
 制作されているのではない」など。他方

 神戸市長は「実際の時代背景、当時の状況も考慮したセットを使っており
 制作側の一貫した思いがあると思う。違和感はなかった」と理解。

 清盛ゆかりの地である自治体首長の発言がこうして報じられるのも
 大河ドラマが最大の観光サポーターだからでしょう。

 その意味では、よいイメージづくりをした神戸市長に
 一日の長があったというべきでしょうか。

 さて、私じしんの興味・関心をいうと
 本ドラマが「平家物語なのかどうか?」

 そんなのあたりまえじゃんという感じですが
 日本の情況や予告編をみているとそうなのか?

 「平家物語」の根本思想は盛者必滅
 読者はその滅びの美学を堪能するわけです。

 ですが、予告編でみるかぎり「平清盛」は松山ケンイチさんを主演に
 若々しい“昇り龍”的な平家を描こうとしているよう。

 このような描き方のほうが
 東日本大震災後の日本国民へむけたメッセージとしても適合的。

 しかし、平家の根本思想とあわない…
 どうなるんでしょうね?

                      ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳