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2021年4月14日水曜日

日光・裏見の滝

どうやら同行トミーはまだお江戸をウロウロしているようです。そうとうな方向音痴です。地理に詳しい曽良とえらい違いです。しかたないので、先に行きます。

神父と医者と弁護士の友だちはいたほうがよいといわれます。いざというときに役に立つからです。いずれも昔から聖職とされてきました。

たほう、弁護士はつきあいづらい隣人ともいわれます。職業がら、ものごとの裏を見るくせがついているので、素直にものが言いづらいということでしょう。

そのせいか、親近感のある日光・裏見の滝。なぜ裏見の滝なのでしょうか。

二十余町山を登って、滝あり。岩洞の頂より飛流して百尺、千岩の碧潭に落ちたり。岩窟に身をひそめ入りて滝の裏より見れば、裏見の滝と申しはべるなり。

なるほど。美文の冴えもあり、滝の迫力やキラキラ感が充溢しています。そして一句。

 しばらくは滝にこもるや夏の初め

はや夏の句。夏は立夏から。いまの暦で5月5日からです。ことしは季節の進みゆきがとてもはやく、半月~1か月はいつもよりはやい。すでにツツジやフジが満開です。行く春を惜しむ間もありませんでしたね。

2021年4月13日火曜日

補陀落→二荒→日光は駄洒落か


けさNHKーBS旅ラン10キロで、つるの剛士さんが日光を走っていましたね。こちら同行トミーがまだのようですけれども、先に行きます。

芭蕉一行は御山に参詣しています。御山は日光山です。その前は「二荒山」と書いていました。それを弘法大師空海が「日光」と改めました。「にっこう」の音が共通しているからです。

私が言うと駄洒落と非難されることも、空海や芭蕉が言うと格調高く評価されるのはなぜでしょう?なぞです。

ではなぜ「二荒」なのか。いま東部鉄道にSL「ふたら」が走っています。二荒も「にっこう」ではなく「ふたら」と読みます。「ふたら」の由来は「補陀落(ふだらく)」にあるという説があり、ぼくもそうだと思います。

補陀落は観音菩薩が降臨する霊場です。日本では熊野や日光が補陀落になぞらえられ、信仰を集めました。中世熊野では船に乗って補陀落を目指す、補陀落渡海がさかんに行われました。平家物語でも維盛はこの考えにもとづき入水します。

補陀落(ふだらく)→二荒(ふたら)→日光(にっこう)。繰り返しますが、駄洒落ではありません。

ここで芭蕉が詠んだ句

 あらたふと青葉若葉の日の光

「あら、尊と」は感嘆詞です。あらは荒ではありませんが、もちろん韻を踏んでいると思います。駄洒落ではありません。

はい、日光男体山を背にニッコリ(パシャ)。

2021年4月12日月曜日

お~い、オチは?


 芭蕉の次の宿泊地は日光。宿のあるじは仏五左衛門、ただ無智無分別にして、正直偏固の者でした云々。

日光といえば当然紹介されてしかるべき東照宮も家康も登場しません。江戸時代なのに。「なほ憚り多くて、筆をさし置きぬ。」結びはこうあるのみ。オチはなんだったのでしょうね。

私も富永くんとおなじく関西人です。というか、関西で小さいころ人格を形成しました。人の話をきいていて、どうしてもオチを期待してしまいます。九州人と話をしていてオチがないままに終了してしまうと、落ちつきません、はい。

2012年10月3日水曜日

奥山に紅葉ふみわけby.福岡県筑紫野市の弁護士





燧ガ岳の中腹をあえぎあえぎ登っていると
達者な女性が追いぬいていきました。

駅の階段の1段抜かしぐらいの
勢いです。

年齢はボクとおなじか
すこし上か?

人間,修練すれば
いくらでもタフになれるものですね。


ところで,その人は背中に
「シカ監視員」の腕章をぶらさげていました。

そのためのアイテムでしょうか
双眼鏡も。

シカといえば
可愛いイメージ。

でも増えすぎると
問題をひきおこします。

さいきんは,どこの山も
「鹿害」に頭をいためています。

シカが増えすぎて,植物の新芽などを
食べ尽くしてしまい,植生をこわしてしまうのです。

ちかく日光の湿原などは
金網をはりめぐらしているぐらい。

尾瀬でもやはりおなじ問題があり
「シカ監視員」なる人たちが必要なのでしょう。


その後,シカがいないかと気をくばりましたが
肉眼で目撃することはかないませんでした。

が,夜半,尾瀬湿原のなか
弥四郎小屋で寝ていると聞こえてきました。

キャヒィ~~ン。
シカの鳴き声。

牡鹿がメスを求めているのでしょうか
もの悲しい。

  奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の
            声きく時ぞ 秋は悲しき

                       猿丸太夫
 


シカの鳴き声もある程度はなれると
このように風情があります。

でも,ほんのちかくで聞くと
女性の叫び声にきこえます。

いちど,祖母山でひとりテントで寝ていると
すぐ横でシカがキャ~~と鳴き,驚いて目が覚めました。


なにごとも(シカの数も鳴き声も)
過ぎたるはおよばざるがごとし。

                     弁護士 浦田秀徳

2011年10月27日木曜日

 リンドウ



 リンドウ(竜胆)
 多年生の植物。
  
 むかしの人はなんの根でも一度は食べてみたようで
 リンドウの根は非常に苦いらしい。

 その苦さが唾液と胃液の分泌や腸の蠕動を高め食欲を盛んにするので
 漢方では根を(りゅうたん)といい、健胃剤として用いられます。

 その薬効から、日光(二荒)では霊草とされています。
 それにはつぎのような縁起が。

  昔、役小角が日光の奥山道を歩いているとウサギが現れ
  リンドウの根を雪の中から掘り出した。

  ウサギは、主人が病気なのでリンドウを探していたといって
  走り去った。

  役小角が試しに病人に飲ませると優れた効き目があり
  「二荒神のお告げに違いない」と神意を感得した。

 熊の胆(い)も苦いことが知られていますが
 それよりずっと苦いことから竜の胆ださそうです。
 
 われわれも子どものころ、程度が甚だしいことを
 「鬼のように」などと修飾表現していました。

 そこは古代中国ですから、「竜のように」
 と修飾表現していたのでしょう。

 日本(『和名抄』10世紀ころ)では、衣夜美久佐(えやみくさ)や
 爾加奈(にかな)とされていました。

 やはり苦さから、それぞれ笑止草(えやみぐさ)
 苦菜(にがな)から来ているらしい。ほんとうでしょうか?

 そのリンとした姿に由来するものでしょうか
 「誠実」「正義」「貞節」という花言葉を贈られています。
 
 赤、黄、白色の花も楽しく明るい気持ちになりますが
 きれいな紫~青色の花も魅力的。

 その色に由来するものでしょうか、「あなたの悲しみに寄りそう」
 だとか「悲しんでいるときのあなたが好き」など物語的な花言葉も。

 山でも、他の花が枯れてしまったなか
 リンと咲くリンドウを見かけます。

  草の花は、なでしこ。唐のは更なり、大和のもいとをかし。
  女郎花。桔梗。朝顔。刈萱。菊。壷すみれ。

  竜胆は、枝ざしなどむづかしげなれど、他花のみな霜枯れたる中より
  いと花やかなる色合ひにて、さし出でたる、いとをかし。…

                        清少納言・『枕草子』