2026年4月6日月曜日

薬害肝炎原告団総会からの由布岳登山(2)

 

 由布岳登山はふつう東峰(1580m)に登って終わりである。が、この先、双耳峰のもう一方である西峰(1583m)まで火口縁を周回するルートがある。お鉢めぐりという。ときどき死者もでる危険なコースである。

 もちろん、われわれはこれに挑戦した。時計回りが一般的とされるが、反時計回りに行く。東峰山頂からいきなり急な岩場を下る。


 火口縁の稜線を東へ向かう。登山道には雪が残っていて滑りやすい。前方に小ピークが2つ見えている。

 手前の小ピークの左肩に一枚岩がみえている。このあとあれを乗り越さなければならない。その後、奥の小ピークに登り、左側の急斜面を降りることになる。


 振り返ると東峰。こちらからはドーム状になっている。


 火口を隔てて向こう側は西峰。屏風のようである。


 手前の小ピークの左肩、一枚岩をよじ登る。


 一枚岩を乗っ越す。高度感がある。滑り落ちれば大怪我を免れないだろう。


 東端の小ピークから下降縁を急降下。手前の登山者の右肩に最大の難所であるゴジラの背が見えている。


 ロープを使い、垂直に下降する。
 

 いよいよお鉢めぐりのハイライト、ゴジラの背と呼ばれる難所である。両側が切れ落ちている。危険。滑落すればただではすまない。

 ここまで来て、どうしても怖ければ、右側に迂回ルートがつけられている。どうしますか?と訊かれている。ここでももちろん、ゴジラの背を行くこととする。


 たしかに危険であるが、三点確保を守りさえすれば落ちることはない。三点確保とは両手両足のうち、一点だけをうごかし、他の三点はしっかり岩を確保しながら移動することをいう。


 左側に迂回しようとしているが、間違い。いかに高度感があるとしても、正面の岩の背を乗り越していかなければならない。


 ようやくゴジラの背を乗りきることができた。ふう。

【不動産・かわら版】雨漏り歴の説明義務は?

 


★ そんな話、聞いてない!? ★


 中古マンションの仲介。買主とともに複数回物件を内覧し、無事、売買契約が成立。


 ところが、引渡し1か月後に雨漏りが発生。どうやら、過去に雨漏り歴があったことを売主が隠して、物件報告書に「現在まで雨漏りを発見していない。」と記載していたよう。


 「虚偽説明だ!賠償しろ!」と息巻く買主。


 そんな話、聞いてない!?

 仲介業者の責任やいかに...


 不動産売買にあたって物件の情報収集は各当事者の自己責任といえど、信義則上の義務として、取引相手に対する説明義務が課される場合があります。


 物件報告書に雨漏り歴の虚偽記載をした売主の責任は当然。問題は仲介業者の責任です。売主の虚偽説明を知らなかったとしても、一応の調査すら尽くしていない場合には、仲介契約上の債務不履行責任を負う場合があります。


 裁判例(東京地判令和2年2月26日)では、マンションの管理組合に対して、修繕履歴や管理組合の総会議事録の開示を求める等の一応の調査を尽くした点を評価して、仲介業者を免責しています。


 では、どの程度の調査を尽くせばよいのか?

 漏れなく説明しますので、お気軽にご相談くださいませ。


富永

2026年4月5日日曜日

【相続・コラム】いわゆる使途不明金問題について② 相続開始後の払戻し

 【事例】

 被相続人Aは、平成26年10月11日に死亡したところ、その子であるYは、同月12日以降、4回に渡り、A名義の普通預金口座から、合計259万6000円を出金し、同出金に伴う手数料合計432円が同口座から支払われた。被相続人Aの子であるX(相続人はXとYの2名のみ)は、Yに対して、何らかの請求をすることができるだろうか。


【解説】

1 概要

 相続開始の前後に被相続人名義の預金が払い戻されることがあり、使途不明金問題と呼ばれている。

2 相続開始後の払戻し

⑴ 分割の対象となる遺産の範囲-預貯金債権

 現在は、預貯金債権について、不可分債権であり、遺産分割の対象となるとされている(判例②~④)。

 そのため、原則として、遺産分割の前には、共同相続人全員の同意を得なければ、預貯金の払戻しをすることができない。 

⑵ 単独の権利行使による払戻し

 各相続人は、預貯金債権のうち、相続開始時の債権額の3分の1に当該相続人の法定相続分を乗じた額(ただし各金融機関ごとに150万円が上限)を、単独で払い戻すことができる。払い戻した分については、当該相続人が遺産の一部分割によりこれを取得したものとみなされる(民法909条の2)。

 払戻しがされたものは、すでに分割済みのものとなり、遺産分割の対象とはならない。もっとも、これを遺産分割の対象に含めることを相続人全員で合意することもできる(判例①)。

⑶ ⑵以外の払戻し

 金融機関が相続の開始を知った場合、金融機関は預貯金口座を閉鎖し、払戻しができなくなるが、金融機関が相続開始を知るまでの間は、被相続人以外の者による預貯金の払戻しがされる余地がある。

 遺産である預貯金債権が、遺産分割前に払い戻されると、預貯金債権そのものは遺産分割の対象から逸出する。これに代わる無断払戻者に対する損害賠償請求権や不当利得返還請求権を相続財産の代償財産ということはできるが、これらは可分債権であるから、原則として遺産分割の対象とならない。民事訴訟による解決となる。

 無断払戻者以外の相続人の同意が得られれば、その財産が遺産分割時に遺産として存在するものとみなし、それを当該払戻しをした相続人に取得させる(民法906条の2)。

3 事例について

 被相続人Aの死後に出金された金額等は、合計259万6432円であった。そのため、Xは、法定相続分2分の1に相当する129万8216円をYに対して請求できると判断された。




【発展】※専門職向け


【判例・裁判例】

■最高裁判所

①最小判昭和54年2月22日・集民126号129頁

②最小判平成22年10月8日・民集64巻7号1719頁

③最大決平成28年12月19日・民集70巻8号2121頁

④最小判平成29年4月6日・集民255号129頁

■高等裁判所

■地方裁判所

⑤東京地判令和3年9月28日・判時2528号72頁(事例)


【参考文献】

■調査官解説

■条解・コンメンタール等

①潮見佳男『新注釈民法⒆ 相続⑴(第2版)』(2023、有斐閣)398~408頁、497~514頁

■裁判官・元裁判官

②井上繁規『遺産分割の理論と審理(第3版)』(2021、新日本法規)239~240頁

③岡口基一『要件事実マニュアル第5巻 家事事件・人事訴訟(第7版)』451~452頁

④片岡武、管野眞一『家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務(第4版)』(2021、日本加除出版)76~80頁

⑤田村洋三、小圷眞史ほか『実務 相続関係訴訟 遺産分割の前提問題等に係る民事訴訟実務マニュアル(第3版)』(2020、日本加除出版)214~219頁

⑥松本哲泓『設例解説 遺産分割の実務 -裁判官の視点による事例研究-』(2024、新日本法規)169~170頁、188~195頁

⑦山城司『Q&A 遺産分割事件の手引き』(2022、日本加除出版)163~172頁

■立案担当者見解

■学説

■弁護士・その他


富永

2026年4月4日土曜日

【労働問題・コラム】労基法等の規範的効力

 【事例1】橘屋事件

 Xらと株式会社Yとの間の労働契約では、休憩時間を1時間とし、夏場は午前6時から午後5時までの10時間、冬場は午前6時から午後7時までの12時間の労働時間となっていた。Xらが就労すべき労働時間は何時間だろうか。

【事例2】

 株式会社Yは、就業規則に、「時間外労働に対する割増賃金は支給しない。」と規定している。従業員Xは、時間外労働に対する割増賃金を請求できないのだろうか。


【解説】

 労基法は、その設定する基準が労働契約内容に対し強行的な効力をもち(労基法13条前段)、かつ、契約内容を直接規律する効力をもつ(同後段)。前者を強行的効力、後者を直律的効力といい、あわせて規範的効力と呼ぶことがある。

 【事例1】では、1日8時間を超える部分が、労基法32条2項に違反している。そのため、労働時間に関する合意のうち、1日8時間を超える部分が労基法13条前段によって無効となり、1日8時間の労働契約となる。

 【事例2】では、割増賃金を支給しない旨の就業規則の規定が、労基法37条1項に違反している。そのため、当該規定が労基法13条前段によって無効となり、労基法37条1項で定める基準が労基法13条後段によって労働契約の内容となる。



【発展】※専門職向け


【判例・裁判例】

■最高裁判所

■高等裁判所

■地方裁判所

①大阪地判昭和40年5月22日・労民16巻3号371頁(事例1)


【参考文献】

■調査官解説

■条解・コンメンタール等

■裁判官・元裁判官

■立案担当者見解

■学説

①菅野和夫『労働法(第12版)』(2019、弘文堂)190~191頁

■弁護士・その他


富永

2026年4月3日金曜日

【刑事事件】量刑の傾向① 「覚せい剤使用のみ、同種前科あり」

 【相談例】

 家族が覚せい剤を使用して逮捕されました。実は、これが2回目です。刑事裁判になれば、どれくらいの量刑が科されるのでしょうか。


【解説】

 集積された裁判例によって示される犯罪類型ごとの一定の量刑傾向は、直ちに法規範性を帯びるものではないが、量刑を決定するに当たって、その目安とされるという意義をもっている(最小判平成26年7月24日・刑集68巻6号925頁)。

 【相談例】は、覚せい剤の使用1件という事案である。第一東京弁護士会発行の「量刑調査報告集Ⅳ」及び「量刑調査報告集Ⅴ」で、「覚醒剤使用のみ、同種前科あり」を条件として得られる量刑分布は、令和4年法律第67号による改正前の刑法下での懲役刑で、懲役1年から3年6月に分布し、ピークは懲役1年6月というものである。そのうち、懲役1年6月の46件中17件(約37%)、懲役2年の33件中8件(約24%)、懲役2年6月の18件中2件(約11%)、全体で191件中27件(約14%)が執行猶予となっている。



※現在は、拘禁刑に改正されている。


富永

2026年4月2日木曜日

薬害肝炎原告団総会からの由布岳登山(1)

 

 別府における薬害肝炎原告団総会の翌日。弁護団のメンバー3人で、スーツを裏返して、由布岳に登った。

 由布岳は1583m。西峰と東峰のツインピークス・双耳峰である。

 正面登山口から登る。ツインピークスなのだが、西峰が隠れて富士山のよう。「豊後富士」と称されるゆえんである。実際には西峰のほうが「豊後富士」なのだが。

 放牧のゆえか山焼きされている。


 樹林帯を登る。


 夏緑樹なので、いまだ冬枯れの景色である。


 この日唯一の花、馬酔木が咲いていた。


 高度をあげると樹林が切れ、眼下(西側)に由布院の街が広がった。下山後の温泉入浴がはや恋しい。


 その左(南)奥には、くじゅう連山が遠望できた。左から黒岳、大船山、中岳、久住山、三俣山だろう。


 その北には連山の一角、涌蓋山(標高1500m)。あの向こうは熊本県である。これまた富士山のようだ。つぎは涌蓋山に登ろうと、メンバー3人で意気投合した。


 南を望むと、かすかに祖母~傾の山並みを遠望することができた。実際には相当なアップダウンがあるのであるが、ここからではほとんど水平である。


 もうすこしで西峰と東峰の分岐である。ここで事故は起こった。後方でガラガラと誰かが転倒した音がしたので、振り返ると男性がつんのめって倒れていた。しばらく様子をみても立ち上がれない様子なので、20mほど引き返した。

 大柄な男性が頭を谷のほうへ突っ込んで身動きしている。下手をすると谷側に落ちそうなので、うかつに動けないようだ。腰をささえてやって、なんとか登山道側に戻してやる。浮石を踏んでバランスを崩し、その勢いで前方へ向かって頭から転倒したようだ。

 左前額部から噴水のように血が噴き出している。動脈を切ってしまったのだろう。頭を突っ込んでいた現場には大量の出血痕があった。大量に出血したようだ。

 前額部は血管が多く、大量出血しやすい。とりあえずポケットティッシュとハンカチで押さえて圧迫止血を試みる。涌蓋山がきれいに見えていますね。などと世間話をしながら男性の気をまぎらわす。まだ若い。40歳すぎくらいだろうか。

 15分ほど経過した。ハンカチに新たな滲みはないようだ。ティッシュとハンカチをどけてみる。なんとか出血は止まっているようだ。生え際から頭頂部にむかって長さ4cm、深さ5っmほどザックリと切れている。

 どうするか、はやく病院へ行って縫ってもらったほうがよい。あとから来た男性が地元のかたで、送っていってくれるという。あとのことは、そのかたに委ねることにした。

 九州の1500m級の山といえども、やはりなめてはいけない。いついかなる事故に遭遇するともかぎらない。大きな事故になると、生命・健康を大きく損ないかねない。あらためて肝に銘じる経験だった。


 まもなく西峰と東峰の分岐(マタエ)である。西峰が大きくそびえ立った。


 まずは東峰に登る。登りながら西方を望むと西峰が雄大。


 ようやく東峰山頂が近づいてきた。不安定な岩々がかろうじて積み上がっているふうだ。このあたりの直下には中央構造線があるはずだ。大きな地震となれば、東峰は無くなってしまうかもしれない。


 やったー。登頂だ。山頂標識も不安定に傾いでいる。向こうに見えているのは鶴見岳と別府湾である。春がすみのため、残念ながら四国まではみえない。

【不動産・かわら版】後見の高見で貢献



 ご高齢者の不動産取引では、所有者ご本人が認知症などになっておられるケースがあります。不動産事業者のみなさまは、施設に入所した親名義の不動産を売却したいと子どもが相談に来られることも多いのではないでしょうか。 

 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、後見開始の審判をすることができます。


 成年後見人は、成年被後見人の財産を処分する権限が与えられますから、後見人の判断で不動産も売却できるのが原則です。


 もっとも、居住用不動産については、家庭裁判所の許可が求められます(民法859条の3)。許可のない処分は、無効です。


 この居住用不動産、現に住んでいる物件だけでなく、「将来住むかも・・・」というレベルでも対象になります。

 許可するかどうかは、処分の必要性と成年被後見人に与える影響を比較して家庭裁判所が判断します。


 「売却の許可は得られそう?」判断に悩まれるときは、ぜひ1度ご相談ください。


富永

2026年4月1日水曜日

薬害肝炎九州原告団総会

 


 薬害肝炎九州原告団総会が別府で開かれた。2008年1月に薬害肝炎救済法が成立し、政府との間で基本合意が締結された。そこから数えても19回目となる。

 薬害肝炎とは、フィブリノゲン製剤、クリスマシン製剤といった血液製剤を適応外で止血剤として投与されてC型肝炎に感染させられた薬害である。

 B型肝炎訴訟もあるが、B型は予防接種の際、注射器を使い回しされて先行する被接種者のB型肝炎ウイルスを感染させられたというもの。感染経路・被害構造がまったく異なる。

 薬害肝炎救済法は、薬害被害者について、血液製剤投与の事実とそれによるC型肝炎感染の事実を立証すれば補償が受けられるという法律である。われわれは、被害者を調査・発見し全員救済を求めていまも追加提訴と和解解決を続けている。

 この関連でカルテなき患者会、あるいは、その訴訟というのがある。これはわれわれがカルテなき患者を放置しているという意味なら、ミスリードな命名である。われわれもカルテがある患者だけを対象としているわけではない。

 カルテ以外にも母子手当などを手がかりに投薬を証明できるケースがある。また医師や看護師など医療関係者の記憶に基づき救済を勝ち得たケースもある。むしろ初期に提訴し、勝訴判決を得た原告たちの多くはカルテが存在しない人も多かった。

 薬害被害者は約1万人と推計された。日本のC型肝炎感染者は約200万人いるとされていた。われわれは1万人の被害者だけの救済だけでなく、この200万人の肝炎患者の医療の底上げや経費軽減等を求めていた。

 政府との間の基本合意には、年1度の厚生労働大臣との協議を通じて、これをおこなうことが明記されている。われわれはこれを足がかりとして毎年政府に対し、恒久対策の進展を要望し成果をあげてきた。これを恒久対策という。

 基本合意に定める協議事項には、さらに再発防止がある。1万人の被害者の全員救済、200万人のC型肝炎患者の医療向上だけでなく、その他の国民が二度と薬害被害に遭わないようにする活動である。薬事の監視に関する事項、再発防止のための啓発に関する事項を求めている。

 つまり、全員救済、恒久対策、再発防止が運動の3本柱である。今年も九州の原告たちが顔をあわせ、これまでの運動の到達点、現状を確認し、今後の方針を確認することができた。

 記念講演は大分の支援者である清国さんのこれまでの支援活動の総括。原告、弁護団、支援者が三位一体となって運動を展開することの重要性をあらためて確認した。

 写真はホテルの窓からみえた高崎山。会議のあとは楽しい懇親会である。沖縄や広島からも参加している。弁護団からも恒例の芸を披露することができた。

【相続・コラム】いわゆる使途不明金問題について① 相続開始前の払戻し

 【事例】

 被相続人Aは、平成26年10月11日に死亡したところ、その子であるYは、Aの生前に、Aの預貯金を引き出したり、Aの保険契約の保険金受取人を変更したりし、それによりYは9844万0804円の利益を得たところ、同額のうち9433万5315円は、Aの許諾を得ていたものではなかった。被相続人Aの子であるX(相続人はXとYの2名のみ)は、Yに対して、何らかの請求をすることができるだろうか。


【解説】

1 概要

 相続開始の前後に被相続人名義の預金が払い戻されていることがあり、使途不明金問題と呼ばれている。

2 相続開始前の払戻し

⑴ 無断での払戻し

 被相続人の生前に、被相続人の一人が被相続人の預貯金を無断で払い戻した場合、被相続人の当該相続人に対する不当利得返還請求権(又は不法行為に基づく損害賠償請求権)が発生し、これが、被相続人の死亡により、各共同相続人に当然分割されるのが原則である。

⑵ 委託を受けた払戻し

 払戻しが無断ではなければ、寄託金返還の問題となる(裁判例②)。

⑶ 被相続人からの贈与

 被相続人の了解のもと預貯金が払い戻され、特定の相続人が贈与を受けた場合は、特別受益の問題になる。

3 分割の対象となる遺産の範囲-金銭債権

 上記2⑴⑵の場合、共同相続人は被相続人の有する金銭債権を相続することになる。そして、金銭その他の可分債権は、相続開始とともに法律上当然に分割される(判例①)。

4 事例について

 被相続人Aの生前にYがAの許諾なく預貯金を引き出したりした使途不明金の額は、9433万5315円であった。そのため、Xは、法定相続分2分の1に相当する4716万7657円をYに対して請求できると判断された。




【発展】※専門職向け


【判例・裁判例】

■最高裁判所

①最小判昭和29年4月8日・民集6巻4号819頁

■高等裁判所

②東京高判令和4年4月28日・判タ1517号105頁

■地方裁判所

③東京地判令和3年9月28日・判時2528号72頁(事例)


【参考文献】

■調査官解説

■条解・コンメンタール等

■裁判官・元裁判官

①井上繁規『遺産分割の理論と審理(第3版)』(2021、新日本法規)183~187頁

②岡口基一『要件事実マニュアル第5巻 家事事件・人事訴訟(第7版)』(2024、ぎょうせい)451~452頁

③司法研修所『遺産分割事件の処理をめぐる諸問題』(1994、法曹会)245~246頁

④片岡武、管野眞一『家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務(第4版)』(2021、日本加除出版)76~78頁

⑤田村洋三、小圷眞史ほか『実務 相続関係訴訟 遺産分割の前提問題等に係る民事訴訟実務マニュアル(第3版)』(2020、日本加除出版)214~219頁

⑥松本哲泓『設例解説 遺産分割の実務 ー裁判官の視点による事例研究-』(2024、新日本法規)184~188頁

⑦山城司『Q&A 遺産分割事件の手引き』(2022、日本加除出版)159~162頁

■立案担当者見解

■学説

■弁護士・その他

⑧関戸勉、福澤武文ほか『相続・遺言を巡る法律問題 弁護士が知識と経験で解決した困難事例』(2020、第一法規)3~11頁

⑨本橋総合法律事務所『Q&Aと事例 相続における使途不明金をめぐる実務』(2025、新日本法規)


富永