【事例1】橘屋事件
Xらと株式会社Yとの間の労働契約では、休憩時間を1時間とし、夏場は午前6時から午後5時までの10時間、冬場は午前6時から午後7時までの12時間の労働時間となっていた。Xらが就労すべき労働時間は何時間だろうか。
【事例2】
株式会社Yは、就業規則に、「時間外労働に対する割増賃金は支給しない。」と規定している。従業員Xは、時間外労働に対する割増賃金を請求できないのだろうか。
【解説】
労基法は、その設定する基準が労働契約内容に対し強行的な効力をもち(労基法13条前段)、かつ、契約内容を直接規律する効力をもつ(同後段)。前者を強行的効力、後者を直律的効力といい、あわせて規範的効力と呼ぶことがある。
【事例1】では、1日8時間を超える部分が、労基法32条2項に違反している。そのため、労働時間に関する合意のうち、1日8時間を超える部分が労基法13条前段によって無効となり、1日8時間の労働契約となる。
【事例2】では、割増賃金を支給しない旨の就業規則の規定が、労基法37条1項に違反している。そのため、当該規定が労基法13条前段によって無効となり、労基法37条1項で定める基準が労基法13条後段によって労働契約の内容となる。
【発展】※専門職向け
【判例・裁判例】
■最高裁判所
■高等裁判所
■地方裁判所
①大阪地判昭和40年5月22日・労民16巻3号371頁(事例1)
【参考文献】
■調査官解説
■条解・コンメンタール等
■裁判官・元裁判官
■立案担当者見解
■学説
①菅野和夫『労働法(第12版)』(2019、弘文堂)190~191頁
■弁護士・その他
富永
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