2026年4月2日木曜日

薬害肝炎原告団総会からの由布岳登山(1)

 

 別府における薬害肝炎原告団総会の翌日。弁護団のメンバー3人で、スーツを裏返して、由布岳に登った。

 由布岳は1583m。西峰と東峰のツインピークス・双耳峰である。

 正面登山口から登る。ツインピークスなのだが、西峰が隠れて富士山のよう。「豊後富士」と称されるゆえんである。実際には西峰のほうが「豊後富士」なのだが。

 放牧のゆえか山焼きされている。


 樹林帯を登る。


 夏緑樹なので、いまだ冬枯れの景色である。


 この日唯一の花、馬酔木が咲いていた。


 高度をあげると樹林が切れ、眼下(西側)に由布院の街が広がった。下山後の温泉入浴がはや恋しい。


 その左(南)奥には、くじゅう連山が遠望できた。左から黒岳、大船山、中岳、久住山、三俣山だろう。


 その北には連山の一角、涌蓋山(標高1500m)。あの向こうは熊本県である。これまた富士山のようだ。つぎは涌蓋山に登ろうと、メンバー3人で意気投合した。


 南を望むと、かすかに祖母~傾の山並みを遠望することができた。実際には相当なアップダウンがあるのであるが、ここからではほとんど水平である。


 もうすこしで西峰と東峰の分岐である。ここで事故は起こった。後方でガラガラと誰かが転倒した音がしたので、振り返ると男性がつんのめって倒れていた。しばらく様子をみても立ち上がれない様子なので、20mほど引き返した。

 大柄な男性が頭を谷のほうへ突っ込んで身動きしている。下手をすると谷側に落ちそうなので、うかつに動けないようだ。腰をささえてやって、なんとか登山道側に戻してやる。浮石を踏んでバランスを崩し、その勢いで前方へ向かって頭から転倒したようだ。

 左前額部から噴水のように血が噴き出している。動脈を切ってしまったのだろう。頭を突っ込んでいた現場には大量の出血痕があった。大量に出血したようだ。

 前額部は血管が多く、大量出血しやすい。とりあえずポケットティッシュとハンカチで押さえて圧迫止血を試みる。涌蓋山がきれいに見えていますね。などと世間話をしながら男性の気をまぎらわす。まだ若い。40歳すぎくらいだろうか。

 15分ほど経過した。ハンカチに新たな滲みはないようだ。ティッシュとハンカチをどけてみる。なんとか出血は止まっているようだ。生え際から頭頂部にむかって長さ4cm、深さ5っmほどザックリと切れている。

 どうするか、はやく病院へ行って縫ってもらったほうがよい。あとから来た男性が地元のかたで、送っていってくれるという。あとのことは、そのかたに委ねることにした。

 九州の1500m級の山といえども、やはりなめてはいけない。いついかなる事故に遭遇するともかぎらない。大きな事故になると、生命・健康を大きく損ないかねない。あらためて肝に銘じる経験だった。


 まもなく西峰と東峰の分岐(マタエ)である。西峰が大きくそびえ立った。


 まずは東峰に登る。登りながら西方を望むと西峰が雄大。


 ようやく東峰山頂が近づいてきた。不安定な岩々がかろうじて積み上がっているふうだ。このあたりの直下には中央構造線があるはずだ。大きな地震となれば、東峰は無くなってしまうかもしれない。


 やったー。登頂だ。山頂標識も不安定に傾いでいる。向こうに見えているのは鶴見岳と別府湾である。春がすみのため、残念ながら四国まではみえない。

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