【事例】デンタルリサーチ事件
株式会社Yでは、従業員Xに対して住宅手当5万2000円、家族手当5万9500円を支給しているところ、これは扶養家族の有無・数や持家・賃貸の別、住宅ローン・家賃の額に応じたものではなく、もともと役職手当、特別手当、職能給という名目で支給していたものを廃止し、住宅手当、家族手当を増額させて総支給額を同額にしたものであった。住宅手当、家族手当は、割増賃金(残業代)を計算する際の時間単価(賃金単価)に含まれるだろうか。
【解説】
家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金の7つは、割増賃金の基礎となる賃金には算入しない(労基法37条5項、労基則21条)。
割増賃金額が個人的な事情で変化するのはおかしいという考え方から除外されたものである。
手当の名目ではなく、実質で判断される(昭和22年9月13日発基17号)。
【事例】では、住宅手当、家族手当の名目で支給されていた手当について、扶養家族の有無・数や、持家・賃貸の別、住宅ローン・家賃の額等の個人的事情に基づき定められたことを窺わせる証拠が全く存在しないとして、基礎賃金に含まれると判断された。
【発展】※専門職向け
【判例・裁判例】
■最高裁判所
■高等裁判所
■地方裁判所
①東京地判平成22年9月7日・労判1020号66頁(事例)
【参考文献】
■調査官解説
■条解・コンメンタール等
■裁判官・元裁判官
①岡口基一『要件事実マニュアル第4巻 消費者保護・過払金・行政・労働(第7版)』(2024、ぎょうせい)711頁
■立案担当者見解
■学説
■弁護士・その他
①渡辺輝人『最新テーマ別[実践]労働法実務5 残業代の法律実務』(2024、旬報社)192~204頁
富永
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