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2012年9月10日月曜日

富士山by.福岡県筑紫野市の弁護士



 富士山に
 登りました。

 だいたいお客さんと話していると
 お客さん:先生,ご趣味は?

 ぼく:山歩きなど。
 お客さん:じゃ,富士山に登られましたか?

 ぼく:いいえ。
 お客さん:…。

 という展開に。
 これじゃいけないので,登りました(やや強引?)。

 それほど富士山は有名
 日本で山といえば富士山なんですねぇ。

 よくクイズ番組で
 日本で一番高い山は富士山,では2番は?

 …
 ふつうの回答者は答えにつまります。

 みなさんはごぞんじですか?
 答えは,北岳(@南アルプス)。

 ちなみに,3番は
 奥穂高岳(@北アルプス)です。

 穂高のほうがやや知名度はあるでしょうか。
 北岳は知らない人がほとんどでしょう。

 なぜにこれほど
 富士山は有名なのでしょう?

 高さは,北岳3,193m,奥穂3,190mに対し
 富士山3,776mと500m以上高い。

 しかしこれはおそらく
 富士山が有名な理由ではないでしょう。

 山の高さの感じは相対的で
 近くで見るか遠くで見るかで感じが違います。

 やはり富士山が独立峰で
 どこからでも見えることがおおきいでしょう。

 それに
 シンメトリーな美しい姿をしていることも。

 さらに
 人間の思考経済もあると思います。

 ランキングのトップは誰でも覚えるけれど
 2位以下はなんだっけ?というやつです。

 というようなことを深く考えたわけでもなく
 正直,ただ登りたくなったから登りました。

 混雑を避けるため
 9月,須走ルートを日帰りしました。

 富士山にはおおきく4つの登山ルートが
 北~東~南にかけて開かれています。

 吉田ルートや富士宮ルートは
 登りやすいかわり人がおおいらしい。

 須走ルートのコースタイムは
 登り7時間40分,下り4時間,合計11時間40分。

 登山口は5合目で標高2,000m
 富士山頂3,776mとの標高差1,776mの登り・下りです。

 日帰りするには,早朝出発が不可欠。
 午前3時半に登山口を出発。

 もちろん真っ暗
 でも満天の星がきれい。

 登るにつれて空が白み
 やがて朱にそまっていきます。

 6~7合目あたりで
 荘厳なご来光。

 来て良かった!
 (つづく)

                     弁護士 浦田秀徳
 

2011年9月15日木曜日

 孤高の山


 
 キム・ヨナが1位のときと違って2位では
 まったく注目されないとボヤいていました。

 経営でも、どんなに狭い市場でもいいから1位になれ!
 知名度がまったく違うから、といわれます。

 その際に引き合いに出されるのが
 日本で1番高い富士山(3776m)です。

 2位の山をみなさんご存知ですか?答えは「マークスの山」
 (高村薫)こと南アルプスの北岳(3193m)です。

 山登りをする人はともかく
 一般の人は知らないのが普通でしょう。

 それほど1位と2位の知名度には差があるといわれます。
 でも高さだけの違いでしょうか?

 山の上から見える他の山の名前を言い当てることを
 山座同定といいます。

 この山座同定が日本でもっとも容易な山は富士山でしょう。
 見間違いようがありません。
 
 すっきりとした美しいシルエットであるし
 なにより孤高です。

 高さもさることながら
 孤高であろうとも美しく生きたいものです。
 

2011年8月21日日曜日

 夜叉神峠



 10月21日午前11時。変死体発見の一報を受け
 甲府から南アルプス林道を登ってきた捜査車両4台は

 夜叉神(やしゃじん)峠付近のトンネルをいくつも越え
 さらに広河原までの山道を登ってゆくところだった。…

 高村薫さんの「マークスの山」(新潮社)の
 冒頭しばらくの記述です。

 広河原は富士山の次に高い、日本第2位の高峰である北岳の
 登山基地です。

 夜叉神峠は甲府から南アルプス林道を使って
 広河原入りする際の玄関口にあたります。

 いかにもなにか事件が起こりそうな
 玄関口ではあります。

 2003年4月、われわれ九州弁護団は薬害肝炎訴訟を提訴しました。
 被告は、ヒト、モノ、カネで圧倒的な力をもつ国と製薬大企業でした。

 多数の医学・薬学上の論点が争点となりました。
 なかでももっとも熾烈に争われたのがフィブリノゲン製剤の有効性でした。

 われわれの拠り所は、薬事審議会のなかの血液製剤に関する再評価調査会が
 獲得性の疾患に対する同製剤の有効性を否定していたことでした。

 医薬品はいったん承認してしまったら、以後ずっとOKというわけではなく
 市場で販売された後も再度評価をやりなおす制度があります(再評価)。

 血液を固める複数の因子のうちの一つであるフィブリノゲンが欠乏するため
 大量に出血するとされる疾患のうち、先天性でないものが獲得性です。

 同調査会の審議も変転し、結論が出るのも長い時間を要しているのですが
 最終的には同製剤の獲得性疾患に対する同製剤の適応を否定しました。

 上記調査会の当時会長をしていたのが、衣笠恵士先生でした。
 われわれは先生に原告側の証人になっていただきたいと依頼しました。

 その際、先生がどのような研究をされているかネットで検索しました。
 するとよくあることですが、同姓同名の方が3名いるようでした。

 ひとりは再評価調査会の元会長であろう血液を専門とする医師
 あとひとりは昆虫の研究者、もうひとりは水泳の記録保持者でした。

 昆虫の研究者である衣笠氏は、研究誌に 
 「夜叉神峠のハナカミキリ3 種」といった論文が掲載されていました。

 おどろいたことに、実際にお会いしてみると
 上記3人はいずれも同一人物でした。

 東大の医学部を出て、血液の分野で優れた業績を残すだけでなく
 昆虫も研究され、水泳もお上手という多才な先生だったのでした。

 われわれの質問がずいぶん初歩的で稚拙だったせいで
 先生にはずいぶん叱られました。

 それでも多数回の打合せを経て福岡地裁でご証言いただき
 勝訴判決の大きな力になりました。

 ネットで検索すると、先生はいまでは
 薬害肝炎の原告側証人という肩書きもついています。 

 私も夜叉神峠でカミキリ虫をさがしてみましたが
 おっかけっこをするリス2匹を見かけただけでした。