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2023年5月14日日曜日

残雪の槍ヶ岳(1)

 



 ことしも残雪の槍ヶ岳に登った。

名古屋に泊まり、朝一(といっても7時発)のJR特急ながので松本まで。そこからアルピコ交通上高地線に乗り換え、新島々駅へ。新島々駅横には梓川が流れている。

梓川(信濃川となって日本海にそそぐ。)は、槍ヶ岳に発する。なので、新島々から槍ヶ岳直下までは梓川をさかのぼる旅でもある。

新島々からはバスに乗って上高地まで。上高地は環境保全のためマイカーでの乗り入れが規制されている。福岡は雨だったが、上高地はよく晴れていた。

バスセンター横を梓川が流れている。梓川流域は花崗岩でできているため、水がとても澄んでいる。美しい。イワナが泳いでいる。

バスセンターから5分上流へ行くと河童橋がある。芥川龍之介の小説で有名なところ。

河童橋から上流には奥穗高岳を中心に穗高連峰がのぞめる(1枚目の写真)。梓川を前景とし、残雪をかぶった穗高連峰はいつみてもしびれる。

中央やや左手の峰が奥穗高岳。3190m、日本第3位。右上隅が前穂高岳。奥穂と前穂をむすぶ稜線が吊り尾根である。

奥穂から左手にいったん切れ落ちて、次に尖っているのがロバの耳、その次がジャンダルムである(裏側)。西穗高は画面さらに左側に見えている。北穂や涸沢岳は奥穂の向こう側にあり見えない。

中央部(残雪がないところ)が岳沢。夏は岳沢から紀美子平を経て、前穂でも奥穂でも登ることができる。いまの時期はまだまだ難しい。

河童橋から下流方面をふりかえると焼岳がのぞめる(2枚目の写真)。北アルブス唯一の活火山。噴煙をあげている。麓に大正池がある。焼岳の噴火で梓川が堰き止められてできた。きょうは寄っていくヒマがない。

写真右手の川縁にたくさん人が写っている。去年にくらべ3倍以上の人出だ。インバウンドも回復してきていて中国語、韓国語をはじめとする外国語を話す人や、イスラム系と思われる出で立ちの人も多い。

上高地から今日の宿泊地の横尾をめざす。梓川に沿って約3時間。途中、1時間ごとに明神、徳澤園という休憩ポイントがある。

明神あたりからは明神岳を(3枚目の写真)、徳澤あたりからは前穂の北尾根を(4枚目の写真)のぞむことができる。前穂北尾根は井上靖の小説『氷壁』の舞台になっている。

https://www.amazon.co.jp/%E6%B0%B7%E5%A3%81-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%BA%95%E4%B8%8A-%E9%9D%96/dp/4101063109

槍ヶ岳はまだまだ先だが、穂高の名峰たちの美しい姿に胸はたかなるばかりだ。

2021年9月8日水曜日

上高地

 

 夏に上高地に行った旨をSNSに投稿したせいか、上高地のみどころを訊かれることが増えています。今朝質問されたかたは10月河童橋近くに3泊の予定だそうです。いいですね ~(わが家も娘2人と9月に上高地宿泊を予定していたのですが、宣言延長のためキャンセルしようと考えています。残念です。)。

 上高地は槍穂連峰の懐深くにあります。むかしは島々から徳本峠を越えて1泊しないと入れませんでした。いまは山々をいくつものトンネルが貫いていて、バスやタクシーで入ることができます。環境保護のためマイカーで入ることはできません。

 標高1500メートル。1000メートルにつきマイナス6度ですから、地上より10度ほど涼しい。行くだけで涼をたのしむことができます。

 上高地は梓川の両岸に細長く広がっています。梓川は槍ヶ岳に発しています。槍穗高連峰は花崗岩でできているので、濁りのない清流になっています。

 上高地のヘソは河童橋です。芥川龍之介の小説にも出てきます。河童橋から上流をながめると奥穂を中心に穗高の山々、下流をながめると焼岳の姿を見ることができます。すぐ間近なところから3,000m級の山が立ち上がっているので迫力があります。

 河童橋からまず下流に向かいます。田代橋まで数分。左手に入ると帝国ホテルがあります。泊まる予算はないので、お茶とコーヒーで我慢します。そこから梓川沿いに樹林の散策ルートを通り、田代湿原・田代池を経て、焼岳の麓の大正池まで行きます。大正池は、焼岳が大正時代に噴火して梓川を堰き止めてできたものです。片道1時間30分。

 つぎに河童橋から上流に向かいます。数分で岳沢湿原に着きます。穗高の山々に降った雨が岳沢に伏流し、湧き水がこんこんとあふれています。このあたりでは野生の猿の群れに遭遇することが多い。

そこから1時間で明神、明神岳の麓にあります。ウエストンを案内した嘉紋次小屋、明神池があります。池では清流の王様、イワナがたくさん泳いでいます。

 そこからさらに1時間で徳澤園。井上靖の小説『氷壁』の舞台で、氷壁の宿と呼ばれています。ソフトクリームが女性に人気で、一度泊まってみたいのですが、槍・穂に登るには中途半端な位置にあり一度も泊まったことがありません。

 そこからさらに1時間行くと横尾です。山小屋ですが、風呂に入れます。梓川沿いにまっすぐ進めば槍ヶ岳、左に折れて梓川を渡れば涸沢・穗高方面です。横尾までは多少の登りくだりはあってもほぼ平坦です。が、ここから先は本格的な登山となります。

 横尾からさらに1時間30分ほど行くと涸沢に辿り着きます。年によって違いますが、9月末から10月はじめにかけて鮮やかに紅葉します。日本一と評価が高い。みささんも一度どうぞ。

2012年8月21日火曜日

氷壁の宿by.福岡県筑紫野市の弁護士



 今夏,上高地から梓川を遡上し
 槍ヶ岳に登りました。

 その写真をフェイスブックにアップしたら
 Nさんから,氷壁の宿でヤマメでも…というコメントが。

 氷壁の宿とは徳沢園の山小屋のこと
 上高地から8Kmほど奥にあります。

 ここが氷壁の宿と呼ばれるのは
 井上靖の小説『氷壁』の舞台のひとつになったことから。

 主人公の魚津恭太と親友の小坂乙彦はここから
 前穂高岳の西側の氷壁にいどみ遭難。

 事故の原因をめぐって
 魚津は運命にほんろうされていきます。 

 学生時代に読んだほか
 映画もみた覚えがあります。

 こんかい,Nさんのコメントをきっかけに
 小説を再読してみました。

 じっさいに穂高にのぼり親しい友人の死を経験したいまでは
 小説の印象がずいぶんちがいました。

 『天平の甍』や『敦厚』などの乾いた文体とも
 ちがっていました。

 読了後,末尾にある
 福田宏年の『人と作品』を読んでいたら

 井上靖が毎日新聞大阪本社に入社したことが
 記してありました。

 そういえば,山崎豊子さんはここで
 井上と机を同じくしたのだったような。

 人の運命は
 わかりませんねぇ。

                   弁護士 浦田秀徳