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2024年4月15日月曜日

南東北の雪山(3)磐梯山

 





 つぎにめざしたのは雪の磐梯山。山形から新幹線で郡山へいき宿泊。天気はまたもやいまいち。朝から曇り空で、午後から崩れるとの予報。

 翌朝、JR盤越西線で西へむかう。猪苗代駅でおり、裏磐梯スキー場へ。途中、桧原湖を通過。ことしは暖冬の影響で氷っていない。いつもならワカサギ釣りの人々が楽しんでいるのに。

スキー場からはゲレンデ横を登る。もうすこし遅い時間であればリフトが利用できる。きょうは午後から崩れる予報なので、早立ちのため利用できない。

ゲレンデを2つほど登ると樹林帯に入る。しばらくいくと、爆裂火口のなかに入る。裏磐梯は磐梯山が噴火して吹っ飛んだあとだ。朝早いため、先行者はいない。昨夜の新雪を踏んでいく。

雪におおわれているはずの銅沼。鉱山成分を含むため、水が銅色。ことしはやはり暖冬の影響で湖面が露出している。踏み抜くのではないかとヒヤヒヤしながら進む。

磐梯山はいまもなお生きている。爆裂火口の斜面からは噴気を吹き出していた。

爆裂火口からまっすぐ頂上をめざすことはできない。左手(西側)に尾根があるので、そこを登る。

その奥には櫛形山、手前にはイエローフォールがある。冬場だけにみられる。硫黄の成分だろうか、黄色い氷瀑。これもことしはあまり成長していない。

尾根に取り付いて、急坂を登る。しばらくして爆裂火口の上部に達した。しばらく休憩していると、ガスが濃くなってきた。天気予報どおりだ。これ以上いくと道を見失う可能性もあるし、ガスガスでは景色も楽しめず写真も撮れないので撤退することにした。残念。

2023年3月13日月曜日

磐梯山、墨絵の世界

 




 翌日はやはり天気予報がA判定だった磐梯山へ。米沢から福島、郡山、猪苗代へ。猪苗代駅が近づくと、左手に猪苗代湖、右手に磐梯山がそびえている。美しい円錐形である。

磐梯山は独特のかたちをしている。南側と北側ではまったく違う形である。明治時代に水蒸気爆発し、北側が山体崩壊してしまったから。

いわば富士山の北側部分が崩壊してしまったようなかたちだ。おかげで、いまでは北側に湖沼が点在する美しい風景が広がる。

この日の登山口は裏磐梯スキー場。リフト2つを乗り継いでゲレンデトップへ。数組の登山者が先行している。

天気予報はA判定だったが、前日とうってかわって終日曇天。墨絵の世界だった。ま、雪や風がないだけで、よしとしよう。

シラビソの樹林帯をしばらく歩くと、銅沼にでる(1枚目の写真)。夏場は沼だが、いまは雪が覆っていて、水面上を歩ける。正面は磐梯山の北壁である。

※夏はこんなかんじ。
https://www.google.com/maps/@37.6198056,140.069132,3a,75y,278.23h,95.23t/data=!3m8!1e1!3m6!1sAF1QipP4Xf4rpgeYwL_rpU750HR74F6UksYeEUvjnmM7!2e10!3e11!6shttps:%2F%2Flh5.googleusercontent.com%2Fp%2FAF1QipP4Xf4rpgeYwL_rpU750HR74F6UksYeEUvjnmM7%3Dw203-h100-k-no-pi0.22409566-ya227.21283-ro32.728867-fo100!7i5376!8i2688

正面の斜面をよくみると噴煙がでている。火山性のガスである。磐梯山はいまも生きて活動しているのである。ここらあたりは爆裂火口の中心部でもある。

爆裂火口の斜面を登る。南に向いて9時の方向。ワカンをアイゼンに履き替えて急坂をはいあがる。もうダメだと思うころ、お鉢の稜線にでる。

振り返ると、裏磐梯方面の展望がひらける(2枚目の写真)。桧原湖が美しい。よくみると、氷の湖面に穴をあけてワカサギ釣を楽しんでいる人たちが見える。

稜線をしばらく行くと、前方に天狗峰(右手)と山頂(左手)がそびえている(3枚目の写真)。まだだいぶ距離がある。天狗峰は爆裂火口の一部である。

写真では山頂がみえているが、ときどきガスがかかる。あと2度の登りと最後の急登を登ると山頂だ。やはりガスガスだ。ときおり猪苗代湖の一部が姿をあらわす。

帰りは櫛が峰をみながら急坂をおりていく(4名目の写真)。きょうも無事に登れた。そして無事に帰還することができた。それを許してくれたすべてのことに感謝・感謝。

2023年3月12日日曜日

スノウモンスターに会いに

 



 報告がおそくなったけれども、スノウモンスターにあってきた。

スノウモンスターといえば蔵王が有名。だけど、蔵王はこの日、天気予報が悪かった。そこで、天気予報がよかった西吾妻山に登った。

知らない人が多いだろう。やはり日本百名山。福島から米沢にまたがり、福島側は東吾妻、米沢側は西吾妻。西吾妻はさみだれを集めてはやい最上川の源流である。

宿泊していた山形駅前のホテルからJR在来線で米沢をめざす。小一時間。駅前からバス。

米沢といえば、NHK大河「天地人」で妻夫木聡演ずる直江兼続が主君・上杉景勝とともに転封された地だ。バスは途中、上杉神社のまえを通る。

やはり小一時間ほどで天元台のスキー場に着いた。そこからはロープウェイだが、スノウボーダーたちが長蛇の列。やはり小一時間ほど待たされた。ロープウエイからはカモシカが見えた。

ロープウエイをおりると、そこはもうゲレンデ。スキーヤーやスノウボーダーたちが歓喜している。そのなかをザックをかつぎ、リフト3つを乗り継いでゲレンデトップへ。

数組の登山者がスノウシューをはいて足もとを整えている。ぼくはワカンというカンジキのようなもの。スノウシューをはいている人が7割くらいだったか。つぼ足(登山靴だけ)の人も何人かいた。

降雪直後はともかく、しばらく雪が降っていなかったらしい。トレースはしっかりしていた。

そこからひと登りで、中大巓(なかだいてん)の肩にでる(1枚目の写真)。スノウモンスターの絶景がひらける。右手は米沢盆地だ。

南側の西吾妻山頂をめざす。といっても急な斜面や雪壁はない。なだらかな丸山を2つほど登れば山頂だ(2枚目の写真)。スノウモンスターたちの間をぬうように登っていく(3枚目の写真)。

晴れていたので爽快な雪山が堪能できた。

2022年12月27日火曜日

2022年のまとめ

 





 歳末の観劇のうち能の話がまだだけど、わが事務所はきょうが仕事納めなので、2022年のまとめ。

ことしのベスト5は時系列で、①白銀の東北4峰登頂、②残雪の北アルプス槍ヶ岳登頂、③大雪山縦走、④北アルプス裏銀座縦走、⑤北アルプス立山登頂かな。

①白銀の東北4峰登頂(ソロ)
2月、白銀の蔵王、西吾妻、磐梯、安達太良山の4峰に登った。仙台空港におりたち、仙台→山形→米沢→福島→郡山→猪苗代→郡山→福島→二本松→福島→仙台と旅をしながら。2月は北西の季節風が吹き付ける厳冬期なのだけれど、蔵王や西吾妻の樹氷はこの時期しか見られないので。いつもはガスガスだったりするのだけれど、今年は天気にめぐまれて4峰全部登ることができた。ラッキー。

②残雪の北アルプス槍ヶ岳(ソロ)
ゴールデンウィークは残雪の槍ヶ岳に登った。山頂の肩にある槍ヶ岳山荘で一泊する予定だったが、翌日の天気が厳しそうだったので、ふもとの槍沢ヒュッテから往復した。バテバテ。そのうえ、一眼レフカメラのメモリーを忘れてしまった。スマホの映像しか撮れず。来年リベンジしたい。

③大雪山縦走(ソロ)
北海道には梅雨がない。本州や九州が梅雨時で本格的な夏山がはじまるまえの7月上旬が空いている。高山植物には早いことが多いが、ことしは百花繚乱。そのせいか、人も多かった。旭岳温泉からまず最高峰の旭岳に登り、お鉢を1/4めぐって白雲岳避難小屋まで。ここでも翌日の天気予報が悪かったので、トムラウシ山縦走はあきらめた。小屋からお鉢にもどり黒岳をへて、層雲峡に下山。

④北アルプス裏銀座縦走
怪鳥会の行事。信濃大町から烏帽子小屋、野口五郎岳、水晶小屋、水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳、双六小屋を経て新穂高温泉まで。数年前、烏帽子岳まで登ったところで台風に直撃されたため断念したもののリベンジ。

⑤北アルプス立山登頂
娘たちと立山三山のうち、浄土山、雄山。そして最高峰の大汝山に登頂。浄土山で御来迎(ブロッケン現象)に出会えてよかった。下山後の安曇野、松本観光も楽しかった。

ことし63歳になった。コロナ禍のなか、これだけ登れればまぁまぁかなと思う。わが健康とこれを支えてくれたまわりの方々に感謝したい。

事務所的にも稲村晴夫弁護士、森俊輔弁護士が退所され、どうなることかと心配した。が、まぁまぁなパフォーマンスで今年をしめくくることができそうだ。

これもまた事務所の面々やわが事務所を応援して頂いている皆様のおかげ。心より感謝申し上げます。ではよいお年をお迎えください。

2022年2月24日木曜日

白銀の磐梯山


 



 3つ目は磐梯山だ。やはり日本百名山。こんかいの旅の本命である。いままでに2度、冬期登山に挑んできたが、いずれも途中撤退している。入山者がすくなく雪が深いためである。去年は緊急事態宣言のため、遠征自体を中止。4年越しの挑戦だ。

前日の天気予報はA判定。ただし、午後までくもり、その後晴、夕方から崩れるというものだった。いままでは南側、猪苗代湖のある側からアプローチしていた。こんかいは、北側、裏磐梯方面からアプローチすることにした。

5時起床、郡山駅を5時55分発の列車で、盤越西線を西に向かう。車窓は雪景色のはずだが暗くて見えない。谷間をぬけると、左手に猪苗代湖があり、右手に白銀の磐梯山が見えてくるはずだが、きょうはガスがかかっていて見えない。南岸低気圧から南風が吹き込んでいるせいだろうか。

タクシーで裏磐梯スキー場へ向かう。除雪がしっかりされている。タクシーの運転手は話好き。ことしの雪の状況、最近のスキー場経営、スキー客の動向など細々と教えてくれる。

7時8分スキー場をスタート。営業は8時30分からで、いまは圧雪中である。ワカンを装着する。ゲレンデの左側をじゃまにならないよう登っていく。

視界は100メートルくらいか、ガスがかかっている。他に登山者は見当たらず、きょうのトップ(先頭)のようだ。

ゲレンデトップまで行くと、標識があり、いよいよ登山道に入っていく。うっすらと雪が積もっているがトレースは分かる。その下の雪はよく締まっていて、踏み抜くということはない。

いちばん上の写真は裏磐梯の写真。むかしは小磐梯という山があったが、爆発で吹っ飛び、いまは火口原になっている。右上が桧原湖、その右が五色沼。その先にきのう登った吾妻連峰が見えている。

ゲレンデトップは写真中央のやや上のあたりだ。しばらくは樹林帯をなだらかに登ったりおりたりする。そして火口原にでる。

行く手には磐梯山の火口北側壁がそびえている(2つ目の写真)。手前側の山体がふっとんだのだから、火山のパワーは半端ではない。左側のギザギザが天狗岩である。

これをまっすぐ登るのは斜度がきつくてできない。左手に尾根があるので、そこから登る。それでもそうとうの急坂である。ワカンをアイゼンに履き替える。

尾根の左手には櫛が峰がそびえている(3つ目の写真)尾根を登っていくと、写真の左側あたりの稜線にでる。先行者がいないため、トレースがはっきりしないところもある。

火口壁にそって稜線を時計回りに4分の1周すると、いよいよ磐梯山の本峰が姿を見せる(4つ目の写真)。右手のトンガリが天狗岩である。

写真をよく見ると分かるのだが、あと4登り必要である。崖や雪原もある。弘法清水という夏小屋があるところからがとりわけ急だ。夏であれば低木の下をくぐるところ、雪がしっかり積もっているので、低木を覆いつくしている。

ようやく山頂だ。4年越しの念願、雪の磐梯山頂を踏むことができた。でもガスガス。本来なら南側に猪苗代湖の絶景がひろがっているのに、この日は見えず。残念。

帰りは来た道を戻る。この日の登山者は4パーティ5人。自分以外は若者たちだった。登り始めはトップだったが、ここらあたりでどんどん抜かれ、弘法清水から先は最後になってしまった。最後というのは非常に不安。なんかあったときに助けてくれる人がいないから。

それでも天気は回復傾向にあり、ときおり青空がのぞく。心も晴れやかだ。夕方から崩れるという予報だったが、なんとかもちそうだ。

猪苗代駅から郡山へ戻る。帰りの電車は会津若松方面からの観光客でやや混雑していた。郡山から東北本線で北上し、福島で宿泊。

2021年5月9日日曜日

会津磐梯山・登山記


おくのほそ道の旅はつづきます。いわく。等窮が宅を出でて五里ばかり、檜皮の宿を離れて、浅香山あり・・・。ちょっと待ってください、芭蕉さん。飛ばしてしまっていますが、須賀川から檜皮(日和田)の宿へ行く途中には、郡山があります。

東北新幹線を郡山でおり、磐越西線で西に向かうと40分ほどで猪苗代駅。同駅の手前から左手に猪苗代湖が見え、右手には磐梯山が聳えています。

猪苗代駅でおりないでさらに行くと、綾瀬はるかが主演した『八重の桜』の舞台である会津若松に着きます。

先に紹介したとおり、芭蕉らも会津根を見ています。しかし、芭蕉らが見た会津根とこんにちの磐梯山は少なくとも北半分が違っているはずです。なぜなら明治21年に水蒸気爆発をおこし、北半分は山体崩壊をおこしているからです。

大惨事だったのですが、いまではそのおかげで裏磐梯という美しい湖沼群を形成しています。秋などお奨めです。

猪苗代駅でおりると、車で10分ほどで猪苗代スキー場に着きます。ここが磐梯山の登山口。スキー場の上部が1合目です。山の南東側になっています。

ここから磐梯山を中心に反時計まわりに進みます。東側の赤埴山、北東側の沼の平を経て、北側の噴火口上部につきます。すこし迂回すると弘法清水に着き、そこから直登すると磐梯山の山頂1819メートルです。山頂から南をのぞむと、猪苗代湖が広がっています。

猪苗代湖の向こうは那須岳、朝日連邦、北を振り返ると、安達太良山や吾妻山をのぞむことができます。

これまで夏に2度、春1度、冬1度登りました。この写真は春にのぼったときのものです。赤埴山をすぎ、裏側にまわったところからみた磐梯山です。まだ大量の雪が残っています。

このときは、帰りがけ、噴火口上部あたりで雷に見舞われました。閃光が光るのと雷鳴が轟くのが同時で、いつ雷にうたれてもおかしくない状況でした。低木のあるところまで、背をひくくするため這ってくだりました。10分ほどだったでしょうか、生きた心地がしませんでした。

古人が神の存在を感じたのはやはり雷によってはないでしょうか。旧約聖書の神の怒りは雷のイメージです。数ある死に方のなかでも雷にうたれて死ぬのだけはご免こうむりたいです。

2021年4月27日火曜日

みちのく入り、異世界の初め

(阿武隈川支流・釈迦堂川) 


ともかくも、とかくして白河の関を越え行く。ついにあこがれの未知の国、みちのくへ。いままでとは異なる宇宙と世界が広がっています。

阿武隈川。大きな熊に遇うからあふくま川なのだとか。那須岳の北・旭岳に発して白河に下り、福島県中通りを北上して宮城の海に流れ行きます。東北の大河はなぜみな北上するのでしょう。北へのあこがれをかきたてます。芭蕉一行もこの流れに沿って北行します。

左に会津根高し。会津根は会津磐梯山、1816メートル。美しい姿が登りにこいよと呼びかけてきます。右に岩城・相馬・三春の庄。振り返れば、関東の常陸(茨城)・下野(栃木)の地をさかひて山が連なっています。

飛鳥が影を映すと古書に記されている影沼といふ所を行きました。けれども残念ながら、今日は空曇り、物影は映りませんでした。みちのくの初めから、不易(阿武隈川、会津根などの自然・宇宙)と流行(影沼)に出会う芭蕉なのでありました。さらにどのような異世界・宇宙との出会いが待っているのでしょうか・・。